総選挙の投票はなぜ「義務」ではないのか

はじめに

衆議院総選挙の日が近づいていますね。

今回の選挙は、解散から投票までの期間が17日間という戦後最も短い総選挙だそうです。

ネットでは、若い人を中心に投票への呼びかけが盛んに行われ、投票率がどれくらい上がるかが注目されます。

日頃、投票に行かない無党派層の動向が選挙結果に大きな影響を与えることは、ここ数年の大きな選挙ではとかく話題となりますが、いつも結果を見ると投票率は低いですね。

そこで思うのですが、なぜ選挙の投票は義務化されていないんでしょうか?

各地方の小さな選挙はともかく、衆議院総選挙などの大きな国政選挙では義務化すればいいのに、と軽く考えてしまうのですが、なぜ総選挙の投票は義務化されていないんでしょうか?

今回は、総選挙の投票の義務化について調べてみました。

選挙

投票義務化のメリットとデメリット

投票義務化のメリット

投票が義務化するメリットは、何と言っても投票率が上がることですね。

これはつまり、投票の正当性が高まることにあります。投票を棄権する有権者が多いと、その選挙の結果は、常に「投票を棄権した有権者」によってより支持「されている/されていない」可能性が議論されることになります。

また、投票しなければならない状況になることで、政治に対する当事者意識が生まれ、政治への関心が向上するとも言われています。

さらに有権者の年代や職種、性別による投票率の偏りが少なくなることで、特定の団体に有利な政策が抑制され、より公平な政治の実現が期待できるでしょう。

投票義務化のデメリット

投票が義務化された場合のデメリットの第一は、そのコストでしょう。

例えば、投票義務を果たさなかった有権者に罰金を科すとした場合、その有権者の特定や罰金の徴収といったコストがかかります。

また、もともと政治に無関心な有権者が無理やり投票しなければならないことで、内容を理解しないまま適当な投票をしたり、政策内容などとは関係のない人気投票的な投票になってしまう弊害もあります。それによって政治が極端なポピュリズムに偏向してしまうことも心配されます。

投票義務化への課題

投票の義務化にあたってはいくつかの課題が考えられます。

まず、デメリットにもあるように、有権者全員に投票の義務が強いられる場合、それに伴うコストが問題になりますが、では地方の細かい選挙まですべて義務化するかどうか、を考える必要が出てきます。もちろん、衆議院総選挙のような大きな国政選挙のみ義務化する、という考えもありますが、公職という点では国会議員も地方議員も同じであり、その正当性の問題が発生します。

また、現在、投票は国民の「権利」となるわけですが、これが「義務」となることで憲法を改正する必要があるかどうかも問題になります。「権利」ということで考えれば、現状では投票しない「権利」もあるわけで、それもまた有権者の意思表示だという見方があるのです。

憲法では、国民の三大義務として「教育の義務」、「勤労の義務」、「納税の義務」が定められていますが、ここに「投票の義務」が加えられる必要があるのか(それによって、国民の「権利」の一部を抑制することになりますね)、あるいは「公職選挙法」の改正で対応可能なのか。

こうした専門的な課題への対応が、投票の義務化への大きな障壁になっているようです。

さいごに

投票の義務化について、世界各国では義務化している国もあれば、そうでない国もさまざまです。つまり、必ずしも「投票の権利」が民主主義的な制度というわけではありません。そこにはメリット、デメリットがあり、法律的な問題があるんですね。

でも、少しずつでも議論を重ねて、より国民の意思が反映できるシステムを考えていくことも、大事な課題だと思いますね。

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