「ウラジオストク」って、聞いたことある地名ですよね。ロシアのどこかだろうな、とは思うけれど、どこなんだろう。
実は、この「ウラジオストク」がいま観光地として注目されています。
本記事では「ウラジオストク」が海外旅行の行き先として穴場だということをお伝えします。

ウラジオストクの場所/日本に一番近い欧州
ウラジオストクは人口60万人ほどの港町。その場所といっても、ピンとこない人が多いかも知れませんが、ロシアの極東部に日本海方面に突き出したムラヴィヨフ・アムールスキー半島に位置しています。
日本との時差1時間程度 、成田空港から2時間ほどという近さ、歴史ある古き良き街並み、さらに2020年2月末には、JAL 日本航空の成田-ウラジオストクの運行外資も予定されており、日本に最も近いヨーロッパとして若い女性を中心に日本人観光客が増えています。
ウラジオストクの歴史
19世紀の中ごろまで、ウラジオストクは中国の一部、満州と呼ばれた地域の一部でしたが、1860年の北京条約でロシアに譲渡されました。
19世紀の終わりには日本海から太平洋へ出るロシアの玄関口として極東における重要な軍港としてロシア海軍の駐屯地となりました。
造船所やドッグが置かれ、そこで配備されたウラジオストク巡洋艦隊は20世紀初めの日露戦争で活躍します。1905年にはウラジオストクとモスクワを結ぶ「シベリア鉄道」が建設されました。
江戸時代から明治時代にかけて日本とも交流があり、特に明治維新後は積極的に貿易が行われ、20世紀初頭には6000人もの日本人が居留していました。
第一次世界大戦の末期、日本のシベリア出兵による1918年から1922年まで日本の占領時代を経て、1922年の日本軍撤収を契機にソ連に併合されることになりました。
その後はソ連の軍港として極東の要所となり、第二次大戦後にはごく一部の外国人とソビエト国民のみ居住がゆるされた閉鎖都市となりました。
ソ連崩壊後は民間の航空会社から日本へも定期便が就航するなど、現在では観光リゾート化が急速にすすんでいます。
ウラジオストクの見どころ
ウラジオストク駅/ シベリア鉄道
ウラジオストク空港からバスや電車で最初に到着するのが「ウラジオストク駅」です。
ウラジオストクとモスクワを繋ぐシベリア鉄道の始発駅です。駅の入り口で荷物検査はあるものの、乗車券がなくても構内に入ることができます。シベリア鉄道の主要鉄道駅は美しい建物が多く、ウラジオストク駅の構内もヨーロッパ風の内装は見る人々の目を楽しませてくれます。
スヴェトランスカヤ通り
ウラジオストク駅前の少し北を、東西に走る伝統ある街道で、多くの観光スポットが並ぶメインストリートが「スヴェトランスカヤ通り」です。
通りに面してカフェや各国のレストラン、百貨店が並び、歴史あるヨーロッパの雰囲気を味わいながらショッピングが楽しめます。様ざまな国から訪れた観光客が多く集まり、ウラジオストクで最もにぎわう観光地のひとうと言っていいでしょう。
アドミラーラ・フォーキナー通り
スヴェトランスカヤ通りのすぐ北を通る、人通りの多い道が「アドミラーラ・フォーキナー通り」です。
通りには大きな噴水がいくつも置かれていて、別名「噴水通り」として知られています。おしゃれなお店が並び、ゆったりとした雰囲気になかをのんびり散歩できる通りです。
スポーツ湾
ウラジオストク市街地の西側の湾で、夏は海水浴場として多くの人が日光浴や海水浴を楽しんでいます。
他にも運動場や健康保護施設などの施設が整備されており、湾沿いには遊園地、カフェ、レストランなどが立ち並び、ゆっくりと海を見ながら散歩するだけでも気分の休まる観光スポットです。
金角湾
「金角湾」はウラジオストク駅の東に位置する入り江です。
金角橋廻り、岬廻り、金角湾廻りで遊覧するクルーズが運航されています。 途中、軍艦や貿易港、船舶工場なども眺めることができます。
鷹の巣展望台
ウラジオストクを俯瞰できることで人気の観光スポットになっているのが、「鷹の巣展望台」です。起伏の激しいウラジオストクのなかで、最も高いところにあります。標高192mの高さから、湾や港を一望できます。
ウラジオストク要塞博物館
「ウラジオストク要塞博物館」は、帝政ロシア時代からソ連時代まで使われていた要塞を、そのまま博物館として保存したものです。入場料200ルーブルで、高射砲やミサイル、小型戦車やトーチカなど、かつての要塞のさまざまな軍備に生で触れることができます。
潜水艦C-56博物館
第二次世界大戦中に使われていた潜水艦を見学できるのが「潜水艦C-56博物館」です。
この博物館では、ロシアの潜水艦の歴史や、C-56の内部や魚雷の発射台を見学することができます。ちなみに、この「C-56」の「C」はキリル文字のエスなので、「エス56」と読みます。

ニコライ2世凱旋門
ロシア・ロマノフ朝最後の皇帝「ニコライ2世」が来日し、大津事件に遭った帰りにウラジオストクに立ち寄った際に記念に建てられたのがこの「ニコライ2世凱旋門」です。1917年のロシア革命で一度破壊され増したが、2003年に復元されました。

どれくらいの費用で行けるのかな?
旅費は航空券が往復で5万円前後で、これは台湾へ行くのとほとんど大差ありません。
1ルーブルが2020年1月現在で1.8円程度。
ホテルは1泊1室、5000円~8000円程度で中級クラス(日本のビジネスホテル程度の)部屋に宿泊可能です。
物価は日本よりも比較的リーズナブルなので、2泊3日でも10万円程度で十分な旅が楽しめそうですね。

最後に
ウラジオストクは日本からも近く、そのアクセスのし易さから、韓国や台湾のような身近な観光地です。伝統的なヨーロッパの雰囲気や、軍港としての歴史など、ここで紹介した場所の他にも多くの観光スポットがあります。
是非、時間のあるときに訪れてみてはいかがでしょうか。