日本を代表するトーク番組『徹子の部屋』が50周年を迎えました。
司会の黒柳徹子さんが、これまで1万2000人以上のゲストを迎えてきたこの番組で、ある驚くべき計画を立てていたことが明らかになりました。
それは、競走馬の「ハルウララ」をスタジオに招こうとしたというもの。
残念ながらスタッフの猛反対で実現しなかったこのアイデアですが、なぜ黒柳さんはハルウララに目を付けたのでしょうか? 今回は、黒柳徹子さんとハルウララについて調べてみました。

ハルウララってどんな馬?
ハルウララは1996年生まれの競走馬で、高知競馬場を拠点に活躍しました。
「活躍」といっても、普通の活躍ではありません。
なんと、ハルウララはデビューから引退までの103戦で一度も勝利を手にせず、「連敗記録」で有名になったのです。
でも、その負けっぷりが逆に愛され、2000年代初頭には「負けても頑張る姿」が多くの人々の心をつかみ、
社会現象にまでなりました。
ハルウララグッズが売られたり、応援イベントが開催されたり、まさに国民的アイドル馬だったのです。
黒柳徹子の「なぜ?」から始まる興味
2025年2月28日放送の『徹子の部屋50年目突入スペシャル』で、黒柳徹子さんはこのエピソードを振り返りました。
ゲストの櫻井翔さんが「競走馬を呼ぼうとしたって本当ですか?」と聞くと、黒柳徹子さんはこう答えています。
「ハルウララっていうね、負けてばかりいる馬がいたんですよ。どうしてこの子は勝たないんだろうと思って」
この一言に、黒柳徹子さんの人並外れた好奇心が凝縮されていますね。
黒柳徹子さんは単に「負ける馬が面白い」と感じたのではなく、その背後にある理由やストーリーを知りたかったのでしょう。
黒柳徹子さんは長年、俳優や歌手、政治家から一般人まで、多様なゲストと向き合ってきました。
その中で培われたのは、表面的な成功だけでなく、個々の人生や存在そのものに光を当てる視点です。
ハルウララの「勝てないけれど愛される」という特異な運命に、黒柳徹子さんならではの感性が反応したのでしょう。
「私はお話ができると思ったんです」
驚くべきことに、黒柳徹子さんはハルウララと「会話ができる」と本気で思っていたようです。
櫻井翔さんが「もし来たらどうやって進行するつもりだったんですか?」と尋ねると、
「私はお話ができると思ったんです」
と真剣な眼差しで返答。
この発言にスタジオは笑いに包まれましたが、彼女の言葉にはどこか純粋で強い信念が感じられました。
もちろん、馬が言葉を話すわけではありません。
でも、黒柳さんならではの想像力とユーモアがあれば、ハルウララの表情や仕草から「何か」を引き出し、視聴者に伝えることができたかもしれません。
例えば、「今日はどうして来たの?」と問いかけ、馬のヒヅメの動きや耳の向きで「返事」を解釈する——そんなシーンが目に浮かびますよね。
彼女のトーク術なら、人間以外のゲストでも場を盛り上げられた可能性は十分あります。
スタッフの反対と実現しなかった夢
しかし、残念ながらこの大胆なアイデアはスタッフの壁に阻まれました。
「みんながね、反対した」と黒柳徹子さんは少し寂しそうに語っています。
現実的に考えれば当然です。
スタジオに馬を連れてくるのは設備的にも衛生的にも難しく、進行上のリスクも大きい。
でも、黒柳徹子さんの提案が一瞬でも議論されたこと自体が、『徹子の部屋』の自由で型破りな精神を象徴しているように思います。
これまでにもドラえもん(声優による出演)やユニークな一般人が登場した番組ですから、ハルウララが実現していても不思議ではなかったのかも知れませんね。
黒柳徹子がハルウララに惹かれた本当の理由
では、黒柳徹子さんがハルウララを呼びたかった本当の理由は何だったのでしょうか?
それは、彼女が「勝ち負けを超えた存在」に魅力を感じる人だからではないでしょうか。
91歳になってもエネルギッシュに活動を続ける黒柳さん自身、型にはまらない人生を歩んできました。
『窓ぎわのトットちゃん』で描かれたように、失敗や挫折を笑顔に変える力を持っている彼女にとって、ハルウララはただの負け馬ではなく、「頑張る姿で人を励ます存在」だったはずです。
ハルウララをゲストに迎え、その負け続けた記録の裏にある努力や愛された理由を紐解く——そんなトークを黒柳さんは想像していたのかもしれません。
そして、それは「勝つことだけが全てじゃない」というメッセージとなって視聴者に届いたかも知れません。
ハルウララの出演がもしも実現していたら?
もしもハルウララが『徹子の部屋』に出演していたら、どうなっていたでしょう。
黒柳徹子さんが「こんにちは、ハルウララさん!」と明るく迎え、馬が首を振るたびに「まあ、そういう気分なのね」と笑顔で応じる姿が想像できます。
視聴者は、ハルウララの健気な姿と黒柳徹子さんの温かいトークに癒され、番組史に残る伝説の回になっていたかもしれません。
残念ながら夢に終わりましたが、このエピソード自体が、黒柳徹子さんの魅力と『徹子の部屋』の可能性を物語っています。
さいごに
黒柳徹子さんがハルウララを呼びたかった理由は、単なる思いつきではなく、彼女の好奇心と人間や馬への愛情から生まれたものなのかも知れませんね。
50年目の節目に明かされたこの話は、彼女が今なお新しい挑戦を恐れない姿勢を示しています。
もし次にこんな大胆な提案が通ったら、私たちはどんな素敵な瞬間を目撃できるのか——そんな期待を抱かせる、素敵なエピソードでした。
ハルウララが『徹子の部屋』に出ていたらどんなトークになったのでしょう?
想像するだけで楽しくなってきますね!