2025年1月に第74代横綱に昇進した豊昇龍が、春場所中の3月19日に休場を発表しました。
新横綱として初の春場所でわずか5勝4敗という成績に終わり、これが「昇進が早すぎたのではないか」という議論を再燃させています。
では、なぜこの話題がこれほど注目されるのか、その理由を具体的に見ていきましょう。
豊昇龍の横綱昇進が早すぎたとされる理由のまとめ
豊昇龍の横綱昇進が早すぎたとされる理由をまとめると以下のとおりです。
- 成績の物足りなさ
- 決定プロセスの疑問
- 春場所の不振
- 昇進タイミングのプレッシャー
これらについて詳しく見ていきましょう。
昇進時の成績が横綱基準として物足りないと感じられている
豊昇龍の横綱昇進は、2024年九州場所の13勝2敗(優勝次点)と2025年初場所の12勝3敗(優勝)という成績が基になっています。
横綱審議委員会の内規では「大関で2場所連続優勝か、それに準ずる成績」が条件とされていますが、豊昇龍の場合は連続優勝ではなく、合計25勝での昇進でした。
これは、平成以降の横綱12人の中で最も少ない勝利数です。
例えば、日刊スポーツの記事では、過去の横綱昇進基準として「2場所連続優勝が一般的」とされ、稀勢の里さんでも36勝での昇進だったことが指摘されています。(spaia.jp)
豊昇龍の3場所合計33勝は大関昇進の目安に近く、横綱としてはインパクトに欠けるとの見方があります。
特に初場所では平幕相手に3敗しており、「横綱にふさわしい圧倒的な強さが見られなかった」と感じる人が多いようです。
横綱審議委員会の決定プロセスに疑問の声がある
豊昇龍の昇進は、横綱審議委員会(横審)で全会一致で推薦されましたが、そのプロセスに疑問を持つ声も上がっています。
現代ビジネスの記事では、横審の会議がわずか10分で終了したことが報じられており、「議論が十分に行われたのか」との批判が出ています(gendai.media)。
審判部内では「もう1場所様子を見るべき」との見送り意見が多数だったにも関わらず、昇進が強行されたとされています。
この点について、横審の山内昌之委員長は会見で、「底力と精神力、そして伸び代がある」と推薦理由を説明しました。
しかし、ファンや一部の専門家からは、「横綱不在を避けるための拙速な判断だったのではないか」との憶測も飛び交っています。
新横綱としての春場所での不振が議論を加速させた
春場所での豊昇龍の成績は、初日に小結・阿炎さんに敗れ、4日目に前頭2枚目・千代翔馬さんに金星を許すなど、期待を下回るものでした。
9日目終了時点で5勝4敗となり、10日目からの休場が決定しました。
豊昇龍は千代翔馬さんとの一番後、「勉強になった。これも1つの経験」と語っています。
しかし、新横綱が初場所で2つの金星を配給し、負け越し目前で休場したことは、「準備不足だったのでは」との印象を強めています。
過去の例では、貴乃花さんが新横綱の初日に敗れたものの、その場所を13勝2敗で優勝したケースがあります。
対照的に、豊昇龍の春場所での結果は、横綱としての底力がまだ発揮しきれていないと感じさせるものでした。
照ノ富士さんの引退とタイミングの問題がプレッシャーに
豊昇龍の昇進は、照ノ富士さんが初場所途中で引退し、横綱不在の危機が迫る中で決まりました。
このタイミングについて、毎日新聞は「協会が春場所以降の横綱空位を避けたい思惑があったのではないか」と分析しています。
豊昇龍自身も、昇進後の記者会見で「照ノ富士関と最後に1回くらい対戦したかった」と心残りを明かしており、先輩横綱からの指導や見本がない中で、いきなり一人横綱の重圧を背負ったことが不振の一因と見られています。
さいごに
以上が、豊昇龍の横綱昇進が「早すぎた」と話題になる理由です。成績の物足りなさ、決定プロセスの不透明さ、春場所での不振、そしてタイミングの問題が絡み合い、ファンやメディアの間で議論が続いています。
今後、豊昇龍がどのように復調し、横綱としての地位を確立していくのか注目されます。