RADWIMPSのドラマー、山口智史さんが長年苦しんだ神経難病「ミュージシャンズ・ジストニア」との闘いを経て、10年ぶりにステージに復帰した軌跡は、多くの人々の心を揺さぶります。NHKのドキュメンタリー番組「Dear にっぽん」では、「音楽に殺されてしまうんじゃないか」という山口さんの切実な言葉を軸に、その壮絶な日々と新しい音楽表現への挑戦が描かれています。この記事では、番組の内容を中心に、山口さんの歩みを深掘りします。
この記事のまとめ
- RADWIMPSのドラマー、山口智史さんが2015年に発症したミュージシャンズ・ジストニアにより活動休止を余儀なくされ、10年間の闘いを経て復帰。
- NHKドキュメンタリー「Dear にっぽん あのとき“失った音”を求めて~RADWIMPS 山口智史~」で、病気の苦しみと新しいドラミング技法の開発過程が追われる。
- 山口さんは声や体全体を使った革新的な方法でドラムを奏で、今年8月から9月のソロツアーでステージ復帰を果たす。
- バンドメンバーとの再会シーンが感動を呼び、視聴者から多くの共感の声が寄せられる。
- 番組を通じて、音楽への情熱が病気を乗り越える力になる様子が伝わる。
RADWIMPS 山口智史の10年ぶりステージ復帰
山口智史さんの10年ぶりのステージ復帰は、音楽シーンに大きな感動を与えました。2015年9月、RADWIMPSの活動休止宣言からちょうど10年が経過した2025年9月23日、山口さんはファンの前でドラム演奏を披露します。この瞬間は、NHKドキュメンタリーで詳細に描かれ、視聴者を圧倒するほどの感動を呼び起こします。
復帰のきっかけとなったのは、昨年末に完成させた「声で鳴らすドラムセット」です。この装置は、足の不調を補うために声や体全体の動きを活用したもので、山口さんが自ら研究を重ねて開発したものです。朝日新聞の記事では、山口さんがライブ後に「うれしいなあ。こんな日がくるなんて」と語る様子が報じられています。この言葉は、10年間の苦闘を象徴し、復帰の喜びを素直に表しています。
さらに、2025年1月の日テレNEWSの取材では、山口さんが「新たな音楽表現を」と挑戦を語っています。9年ぶりの人前演奏となった2024年12月のステージで、和太鼓の「口伝」から着想を得た声の活用を披露し、観客を魅了しました。この復帰は、単なる演奏の再開ではなく、病気を逆手に取った創造的な進化として評価されています。ソロツアーでは、RADWIMPSのメンバーとの再会シーンがクライマックスとなり、互いの絆が「新しい音」を生み出す様子が鮮やかに映し出されます。
NHKドキュメンタリー「音楽に殺されてしまうんじゃないか」で追う神経難病との壮絶な闘いと新しい音の感動ストーリー
NHKのドキュメンタリー「Dear にっぽん あのとき“失った音”を求めて~RADWIMPS 山口智史~」(2025年10月5日放送)は、山口さんの闘いを長期密着で追った作品です。番組タイトルに含まれる「音楽に殺されてしまうんじゃないか」という言葉は、山口さんの本音を象徴し、発症直後の絶望を物語ります。このフレーズは、音楽家として生きる喜びが一転して苦痛に変わる瞬間を、痛切に表現しています。
番組では、2015年の発症から始まる壮絶な闘いが詳細に描かれます。ミュージシャンズ・ジストニアは、無意識の筋肉緊張が原因で、右足がコントロールできなくなる症状です。山口さんは当初、左足での演奏を試みますが、同じ症状が現れ、「それまでの自分の音楽人生っていうか、楽しかった音楽体験・感動すらも奪われているような」「もうドラマーとして、終わってしまったなって」と語っています(日テレNEWS取材より)。この喪失感は、ドキュメンタリーの序盤で視聴者の胸を締め付けます。
転機は2020年の慶應義塾大学・藤井進也准教授との出会いです。山口さんは自らジストニアの研究に取り組み、ドラマーへのアンケートを実施。ドラマガWebの対談では、藤井准教授と「LIVE中に突然再発したり、徐々にどんどん悪くなるみたいな感じがあって。でも、どう対処していいかはわからなくて」と振り返っています。この研究は、米シリコンバレーでの出会いも後押しし、声を使ったドラムセットの開発につながります。朝日新聞の記事によると、シリコンバレーで出会った人々が山口さんの人生を救い、「楽しさ思い出した」との言葉を引き出しました。
新しい音の感動ストーリーは、番組の後半で展開します。山口さんは和太鼓の口伝から着想を得て、声で「ドン!ハ!ドン!ハ!」とリズムを刻む技法を開発。2025年8月から9月のソロツアーでは、この技法がバンドメンバーとのセッションで花開き、再会シーンで涙を誘います。音楽ナタリーの報道では、NHKの密着取材が「自らジストニアを研究し復帰を目指す」姿を捉えています。このストーリーは、病気がもたらした「失った音」を求めての旅路を、希望の光で照らし出します。
山口智史の経歴
山口智史さんは、2001年にRADWIMPSの結成メンバーとしてドラマー活動をスタートさせます。2003年に正式加入後、バンドのメジャーデビューを支え、2006年のアルバム『RADWIMPS 4: Okazu no Gohan』で商業的成功を収めます。2011年のシングル「Dada」ではオリコン1位を獲得し、バンドの代表曲を支えました。
2015年、ミュージシャンズ・ジストニアの発症により無期限休養を宣言しますが、休養中も音楽神経科学の研究に取り組み、慶應義塾大学で准教授の藤井進也さんと共同研究を進めます。2020年以降は、声を使ったドラム技法の開発に注力し、2024年末に初のステージ演奏を実現。2025年にはソロツアーを成功させ、RADWIMPSへの本格復帰を果たします。また、米農家としても活動し、多角的なキャリアを築いています。
山口智史のプロフィール
- 氏名: 山口智史(やまぐち・さとし)
- 生年月日: 1985年2月21日(40歳、2025年現在)
- 出身地: 東京都
- 所属: RADWIMPS(ドラマー)、VXD(ドラマー)、BEAT ICE共同創設者
- 主な活動: ドラマー、音楽神経科学研究者、米農家
- 家族: 妻(さきさん)と共同で生活を支え合う
- SNS: X(@Satoshi_Y21)で研究や日常を発信
さいごに
山口智史さんの物語は、音楽の喜びを失う恐怖と、それを乗り越える不屈の精神が交錯する感動の軌跡です。NHKドキュメンタリーを通じて、私たちは「失った音」を取り戻すための努力が、新たな創造を生むことを学びます。山口さんの笑顔が、視聴者の心に希望の音を響かせますように。この復帰が、RADWIMPSの未来をさらに輝かせる一歩となることを願っています。

