フランスの政治シーンが激震を迎えました。2025年10月5日に新内閣の顔ぶれが発表されたばかりのルコルニュ内閣が、わずか14時間後の6日に総辞職を表明したのです。この異例の事態は、マクロン大統領の政権運営に深刻な打撃を与え、欧州全体の視線を注がせています。なぜこのような短命政権が生まれたのか、その背景と今後の波及効果を、信頼できる報道に基づいて詳しくお伝えします。
この記事のまとめ
- ルコルニュ内閣は2025年10月5日夜に組閣発表されたが、6日午後に総辞職。組閣からわずか14時間という史上最短の政変が発生しました。
- 主な原因は、閣僚リストの事前説明不足とポスト配分への不満で、与党内からも辞職を示唆する声が噴出しました。
- マクロン大統領は前内閣の信任否決後の新首相としてルコルニュ氏を任命しましたが、野党の反発を抑えきれず、政局混迷が深まっています。
- 今後の影響として、2026年度予算成立の遅れやユーロ安、EU内の財政不安定化が懸念され、新首相選出の行方が焦点となります。
- ルコルニュ首相は「私は妥協する用意がありましたのに」とコメントし、党内調整の難しさを示唆しています。
仏内閣が総辞職、組閣わずか14時間でなぜ? その衝撃の真相
このセクションでは、タイトル前半の核心である「なぜ」という疑問に焦点を当て、事件の経緯と原因を深掘りします。フランス大統領府の公式発表や主要メディアの報道を基に、時系列で整理しながら、政局の裏側を明らかにします。
事件の経緯:組閣発表から総辞職までのタイムライン
2025年9月、前内閣が国民議会(下院)で信任投票を否決され総辞職した後、マクロン大統領は側近であるセバスチャン・ルコルニュ氏を新首相に任命しました。ルコルニュさんは2017年の大統領選からマクロンさんを支え、2022年から国防相を務めていた信頼の厚い人物です。しかし、内閣の陣容決定に時間がかかり、ようやく10月5日夜に新閣僚名簿が発表されました。
この発表では、外相をはじめとする前内閣の大半が留任する一方、財務相にレスキュール氏が新たに就任するなど、一部変更が加えられました。ところが、発表直後から異変が起きます。6日午前中、与党内の一部勢力が「事前説明のない人物の登用に納得できない」と不満を爆発させ、閣僚全員の辞職を示唆する声明を出しました。これに対し、ルコルニュ首相は調整を試みましたが、野党からも「変化が不十分」との批判が相次ぎ、午後には辞表提出に至りました。フランス大統領府は即座にこれを受理し、組閣からわずか14時間の総辞職が確定したのです。
この短命ぶりは、フランス第五共和制下で前例のないものです。過去の内閣総辞職は主に不信任案可決によるものが多く、組閣直後の崩壊は政権の脆弱性を象徴しています。
原因の深層:党内不満と野党反発の連鎖
なぜこのような事態に至ったのでしょうか。まず、与党内の不満が最大の引き金です。FNNプライムオンラインの報道によると、閣僚リストには「事前説明のない人物」が含まれ、ポストの割り当てにも不満が噴出しました。特に、伝統的な右派勢力は「マクロン大統領寄りの人物が優遇されている」と指摘し、辞職を示唆する動きを加速させました。ルコルニュ首相自身は、総辞職後の声明で「私は妥協する用意がありましたのに、他の側が応じなかった」と語り、調整の難しさを悔やんでいます。
一方、野党の役割も無視できません。極右の国民連合(RN)や左派連合は、前内閣の財政再建策に不満を抱いており、新内閣の留任多数に「改革の欠如」と猛反発。朝日新聞の分析では、ルコルニュさんの任命自体が「マクロンさんに近い人物」として批判を招き、議会運営の基盤を揺るがせたとされています。 これにより、与野党の溝が一気に広がり、初閣議の開催すら叶わぬ事態となりました。
さらに、背景としてマクロン政権の長期低迷があります。2022年と2024年の国民議会選挙で与党連合が過半数を失い、少数与党状態が続いています。年金改革や財政緊縮が国民の反感を買い、大統領の支持率は低迷。ロイターの報道では、この総辞職が「政局混迷の象徴」として、EU全体の不安定化を招く可能性を指摘しています。
このように、組閣の拙速さと調整不足が重なり、わずか14時間の崩壊を招きました。ルコルニュさんの在任期間はわずか27日で、フランス史上最短の首相交代記録を更新したのです。
フランス政局の裏側:マクロン大統領のジレンマ
フランス政局の裏側を覗くと、マクロン大統領の苦境が浮かび上がります。2027年の任期満了まであと2年を切った今、度重なる首相交代(2年で5人目)は大統領の求心力低下を露呈しています。日本経済新聞の記事では、「野党との連立構築が急務だが、RNの支持拡大が障害」と分析されており、マクロンさんが早期の議会解散を避けている理由がわかります。
野党の極右・極左連合は、予算案をめぐる不信任を武器に政権を揺さぶっています。NHKの報道を参考にすると、マクロンさんはこれまで「任期全う」を強調してきましたが、今回の事件で辞任圧力が高まる可能性があります。
今後の影響:経済・外交への波及効果
今後の影響は深刻です。まず、経済面では2026年度予算の成立が遅れ、財政赤字拡大が懸念されます。ブルームバーグの速報によると、総辞職直後にユーロが急落し、フランス10年債利回りが上昇。CAC40株価指数も2.1%安を記録しました。 EUの財政ルール違反リスクが高まり、ドイツなど他国への波及も避けられません。
外交面では、フランスのEU内リーダーシップが揺らぎます。マクロンさんのウクライナ支援や気候変動政策が停滞すれば、欧州の結束に亀裂が入る恐れがあります。また、新首相選出の遅れは、国内デモの再燃を招く可能性もあります。
さいごに
仏内閣の総辞職は、単なる人事の失敗ではなく、フランス民主主義の危機を映し出しています。マクロン大統領がこの混迷をどう乗り越えるか、私たちも注視せざるを得ません。政局の安定が経済成長の鍵となる中、早期の新内閣発足を願うばかりです。この記事がお役に立てば幸いです。ご意見はコメントでお聞かせください。

