大友克洋さんの作品は、1980年代の漫画界に革命をもたらしました。特に『童夢』と『AKIRA』は、多くの漫画家に衝撃を与え、作風を変えるきっかけとなりました。
その一人である浦沢直樹さんは、NHKの番組「浦沢直樹の漫勉neo」で大友克洋さんをゲストに迎え、自身の経験を語っています。
ここでは、浦沢直樹さんが受けた影響を中心に、具体的な証言を紹介します。
この記事のまとめ
- 大友克洋さんの『童夢』と『AKIRA』は、漫画界に「大友以前、以後」と呼ばれるほどの影響を与えた。
- 浦沢直樹さんは『童夢』の連載第一回を読んでとてつもない衝撃を受け、「漫画はこういう時代になる」と感じた。
- NHK「浦沢直樹の漫勉neo」(2025年3月29日放送)で、浦沢直樹さんが大友克洋さんと対談し、『童夢』の生原稿を前に衝撃の記憶を語った。
- 浦沢直樹さんは『童夢』を「『AKIRA』以上に衝撃だった」と表現。
- 大友克洋さんのリアルで立体的、映画的な表現が、浦沢直樹さんをはじめ多くの漫画家に影響を与えた。
浦沢直樹が受けた大友克洋の影響
大友克洋さんの作品は、緻密な線、複雑なパース、リアルな描写で知られています。
これらのスタイルは、1980年代の漫画界に大きな変化をもたらしました。Wikipediaの記述によると、大友克洋さんの影響は浦沢直樹さんをはじめ、多くの漫画家に及び、作風の変化を引き起こしたとされています。
特に、浦沢直樹さんは大友克洋さんのファンとして知られ、自身のキャリアに大きな影響を受けたことを公に語っています。
2025年3月29日に放送されたNHK Eテレの「浦沢直樹の漫勉neo」では、大友克洋さんがゲスト出演し、浦沢直樹さんがホストとして対談しました。
この番組で、浦沢直樹さんは大友克洋さんの生原稿を前に、過去の衝撃を振り返っています。
『童夢』で受けた衝撃 連載第一回の記憶
浦沢直樹さんは、番組内で大友克洋さんの『童夢』について特に強調しています。
『童夢』は1980年から1981年にかけて連載され、1983年に単行本化された作品です。立体的でリアルな絵、斬新な構図、驚愕の破壊シーンが特徴で、「日本のマンガに革命を起こした」と評されています。
浦沢直樹さんは、X(旧Twitter)で番組の告知とともに、「大友克洋さんと『童夢』の生原稿を前に語り合います。連載第一回を読んでとてつもない衝撃をうけたあの日が、つい昨日のような気がするくらい記憶がはっきりしています。だけどあれから45年!?」と投稿しています。この証言から、『童夢』の連載開始時(1980年頃)の衝撃が鮮明に残っていることがわかります。
番組の紹介文では、浦沢直樹さんが「『AKIRA』以上に衝撃だった」と語る伝説的な作品として『童夢』を挙げ、創作秘話を迫っています。MANTANWEBの記事でも、「浦沢さんが『AKIRA』以上に衝撃だった」と語る部分が引用されています。
『童夢』の具体的な衝撃ポイント
番組では、『童夢』の生原稿を70インチのモニターに映し、詳細に分析しています。
浦沢直樹さんは、団地の全貌を描いた見開きページに小さく「ドサッ」と書かれた吹き出しを見て、静かな圧力を感じたと語っています。このような細やかな表現が、漫画の新しい時代を予感させたそうです。
また、浦沢直樹さんは『童夢』のコマ割りで「断ち切り」(枠線なしで端まで絵を描く手法)を使っていない点に注目。
大友克洋さんはこれに対し、「絵の中に(読者を)引き込みたい」と答えています。浦沢直樹さんは『童夢』を「映画的」と繰り返し表現し、画だけで状況を伝える手法に感銘を受けた様子です。
リアルサウンドの記事によると、浦沢直樹さんはこの番組で大友克洋さんの作家性と人間らしさを垣間見たとして、映画的な画作りを解剖しています。
『AKIRA』とのつながりとさらなる影響
『童夢』の後、1982年から連載が始まった『AKIRA』も、大友克洋さんの代表作です。
『AKIRA』はアニメ映画化され、世界的に有名になりましたが、浦沢直樹さんにとっては『童夢』がより強い衝撃だったようです。
コミックナタリーの記事では、浦沢直樹さんが大友克洋さんの「大友タッチ」の秘密に迫り、生原稿から解き明かしています。
また、他の漫画家たちも大友克洋さんを「漫画界にとってのビートルズ」と絶賛する理由を議論しています。
浦沢直樹さんは別の文脈で、『ショート・ピース』や『童夢』以降、「全てのほかの漫画の線が大友さんのそれになると思ったし、実際にそうなった」と述懐しています(ciatrの記事より)。
これは大友克洋さんの影響力が漫画界全体に及んだことを示しています。
大友克洋の表現がもたらした変化
大友克洋さんの手法は、「非手塚的手法」と呼ばれ、風景だけで語らせるなど新しい表現です。
これが浦沢直樹さんをはじめ、多くの漫画家にリアルな描写や緻密な作画を取り入れるきっかけとなりました。
番組では、世界中のファンが待ち望む新作についても触れられていますが、浦沢直樹さんの証言を中心に、大友克洋さんの過去作品の影響力が強調されています。
さいごに
浦沢直樹さんが大友克洋さんの『童夢』と『AKIRA』から受けた影響は、漫画家としての道を大きく変えたものです。
特に『童夢』の衝撃は、45年経った今も鮮明で、「人生が変わった」と感じさせるほどでした。
大友克洋さんの革新的な表現は、漫画の可能性を広げ、後進に受け継がれています。
このような証言から、漫画史の重要な転換点が改めて実感されます。

