エーゲ海に浮かぶサントリーニ島は、白壁の家々と青い海が織りなす絶景で世界中から観光客を引き寄せる人気の観光地です。
しかし、近年はオーバーツーリズムによる交通渋滞や騒音が問題となり、新たな対策が注目を集めています。
2025年5月、ニコス・ゾルゾス市長はクルーズ船観光客を1日8000人に制限する規制を導入しました。
この変更が旅行者にどのような影響を与えるのか、詳しく解説します。
- サントリーニ島はオーバーツーリズム対策として、6~9月にクルーズ船観光客を1日8000人に制限。
- 制限により夏の混雑緩和が期待されるが、クルーズ船の予約やスケジュール調整が必要。
- 島の景観や文化を守るため、宿泊施設の建設も規制される方針。
- 日本人観光客は歓迎されており、フォトウェディングや古代遺跡の観光が推奨されている。
- 持続可能な観光を目指し、観光客数の年間総数は維持される見込み。
サントリーニ島のクルーズ船制限が旅行計画に与える影響
サントリーニ島では、2024年に1日最大約1万5000人がクルーズ船で訪れ、交通渋滞や騒音が課題となっていました。
ニコス・ゾルゾス市長は、夏場のピークシーズン(6~9月)に観光客数を1日8000人に制限する規制を導入したと、読売新聞のインタビューで明らかにしました。
「観光客がより良い時間を過ごし、持続可能な観光のために理解が得られた」とゾルゾス市長は述べています。
この制限により、クルーズ船を利用する旅行者は予約の確保が難しくなる可能性があります。
特に夏場は人気のシーズンのため、早めの計画と予約が重要です。一方で、クルーズ船の来航が年間を通じて分散される見込みで、シーズンオフの訪問がしやすくなるかもしれません。
これにより、混雑を避けたい旅行者には新たな選択肢が生まれます。

なぜオーバーツーリズム対策が必要なのか
サントリーニ島は、エーゲ海の断崖に白壁の家が並ぶ「インスタ映え」する風景で知られ、日本を含む世界中から観光客が急増しています。
しかし、過剰な観光客がもたらす問題は深刻です。2024年には、ピーク時に1日1万5000人ものクルーズ船客が訪れ、島のインフラや住民生活に負担がかかっていました。
交通渋滞や騒音は、観光客自身の体験の質も下げる要因となっていました。
ゾルゾス市長は、観光客数の制限により「より良い時間」を提供し、持続可能な観光を実現する狙いがあると説明しています。
この対策は、島の経済が観光業に依存している中で、島民からの反対もあったものの、長期的な島の魅力維持のために導入されました。

宿泊施設の建設制限と島の景観への影響
オーバーツーリズム対策は、観光客数の制限だけでなく、島の景観を守る取り組みにも及んでいます。
近年、島外からの投資により、ホテルや短期アパートの建設が急増し、島の伝統的な白壁の景観が「都市化」する懸念が浮上していました。
ゾルゾス市長は「島を『都市』にしたくない」と述べ、ギリシャ政府に新たな宿泊施設の建設を認めないよう要請しています。
ジョルジア・ノミク議長さんも、「観光客がゆったりとした島の魅力をより味わってもらうため、これ以上の発展を求めていない」と語っています。
この方針により、旅行者は今後、既存のホテルや伝統的な洞窟ホテルでの滞在を中心に計画を立てる必要があります。
人気のインフィニティプール付きホテルやイア地区の宿泊施設は、特に早めの予約が推奨されます。

日本人観光客へのメッセージとおすすめの過ごし方
サントリーニ島は、日本人観光客に特に人気で、フォトウェディングの舞台としても注目されています。
ゾルゾス市長は、「多くの日本人が『フォトウェディング』などで島を訪れ、地元の暮らしを尊重してくれ感謝している」と述べ、島の二つの古代遺跡や歴史・文化を楽しみながらゆっくり滞在してほしいと呼びかけています。
おすすめの観光スポットには、中心地のフィラや夕日で有名なイア、アクロティリのミノア遺跡などがあります。
個人旅行者はクルーズ船制限の影響を受けにくいため、航空便でアテネ経由での訪問や、7日間以上のゆったりとしたプランが人気です。
たとえば、トラベルjpでは、2日目にサントリーニ島に到着し、3日目に島内観光、4日目にアテネへ戻る7日間モデルコースが提案されています。

クルーズ船旅行者が知っておくべきこと
クルーズ船を利用する旅行者は、制限による影響を事前に把握することが重要です。
2025年2月の情報では、地震活動の影響で一部クルーズ会社がサントリーニ島の寄港を変更した事例も報告されています。
たとえば、バイキングスターはサントリーニ島の代わりにクレタ島やトルコのクシャダスに寄港を変更しました。
阪急交通社のようなツアー会社では、クルーズとサントリーニ島のホテル宿泊を組み合わせたプランを提供しており、制限下でも柔軟な旅程が可能です。
ただし、ピークシーズンのクルーズ予約は競争が激しくなるため、早めの問い合わせが推奨されます。

持続可能な観光への期待と課題
サントリーニ島のオーバーツーリズム対策は、観光客数の制限を通じて年間の観光客数を維持しつつ、混雑を緩和する戦略です。
ゾルゾス市長によると、制限により通年の観光客数は前年比で落ち込まない見込みです。
このバランスは、観光業に依存する島民の経済を支えつつ、島の魅力を守るための重要な一歩です。
しかし、Xでの反応を見ると、観光客数の制限に対する意見は分かれています。
Xでは「日本人は歓迎されてるみたい」と好意的に受け止めた意見や、一方で「日本も観光公害対策を」と日本の状況と比較して厳しい意見も見られます。
こうした声からも、観光地としてのサントリーニ島の取り組みが注目されていることがわかります。

さいごに
サントリーニ島のオーバーツーリズム対策は、旅行者に新たな計画の工夫を求める一方で、島の魅力である絶景や文化をより深く楽しむ機会を提供します。
クルーズ船の制限により、夏場の訪問は予約が難しくなるかもしれませんが、シーズンオフや個人旅行の選択肢を活用することで、ゆったりとした旅が可能です。
日本人観光客への温かいメッセージとともに、古代遺跡やフォトウェディングなど、特別な体験を求める旅行者にとって、サントリーニ島は依然として魅力的な目的地です。
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