日本を代表するオカルト雑誌「月刊ムー」の公式Xアカウントが、編集長の三上丈晴さんの個人アカウントをブロックし、「ビンタしたい」と投稿したことが2025年7月に大きな話題となりました。
この騒動は、三上さんが参政党を支持する投稿を繰り返したことが発端とされています。
オカルトと陰謀論をエンタメとして楽しんできたムー民にとって、この出来事は衝撃的でした。
本記事では、この騒動の背景と、ムーの編集方針や参政党の主張との関係を掘り下げます。
この記事のまとめ
- 月刊ムーの公式Xが、編集長・三上丈晴さんの参政党支持の投稿に対し、ブロックと「ビンタしたい」という声明を発表。
- ムーは陰謀論をエンタメとして扱い、ガチの政治的闘争とは距離を置く編集方針を堅持。
- 三上さんは過去のインタビューで、Qアノンなどの政治的陰謀論の危険性を指摘していた。
- 参政党の主張は、ムーの読者が求める知的エンタメとは異なり、過激な陰謀論とみなされることが多い。
- 騒動は、ムーのブランドイメージと編集長の個人的な発言のギャップに注目を集めた。
月刊ムー編集長が公式からビンタされたって本当?
2025年7月8日、月刊ムーの公式Xアカウントが「もうブロックしたので。
あのアカウントにはビンタしたい思いです。媒体を名乗るなよ」と投稿し、ネット上で大きな波紋を呼びました。
この投稿は、編集長の三上丈晴さんが自身のXアカウントで参政党関連の投稿を繰り返しリポストしていたことに対する反応とされています。
この声明は、編集長を除くムー編集部によるもので、270万回以上のインプレッションを記録するなど、大きな注目を集めました。

三上さんが参政党を支持する姿勢は、ムーの公式スタンスとは明確に異なるため、編集部としては「ムーの総意」と誤解されることを避けたかったのでしょう。
X上では、「ムーを読んでいれば陰謀論にハマらないと言われていたのに、編集長本人が参政党支持とは」と驚きの声が上がっています。
月刊ムーの編集方針と陰謀論との距離感
月刊ムーは、1979年の創刊以来、UFO、超能力、超古代文明、陰謀論などを取り上げ、「世界の謎と不思議に挑戦するスーパーミステリーマガジン」として知られています。
編集長の三上さんは、「日本一怪しい雑誌」を自称しつつ、「知的エンターテインメント」を目指すと語っています。
ムーは、陰謀論を扱う際も、事実ベースの情報をもとに独自の仮説を展開し、過剰にあおらないよう注意を払っています。
三上さんは2022年のインタビューで、Qアノンやディープステートのような政治的な陰謀論について、「これまでの陰謀論とは違い、政治的な闘争に使われると実害を伴うので非常に危険」と述べていました。
この発言から、ムーは陰謀論を「知的な遊び」として扱い、ガチの政治的闘争とは一線を画す姿勢が伺えます。
ところが、三上さんが参政党を支持する投稿を繰り返したことで、ムーのブランドイメージとの齟齬が生じ、編集部の強い反応につながったと考えられます。
参政党とその問題点
参政党は、2025年の参院選での躍進が注目されていますが、党代表の神谷宗幣さんによる「GHQによる自虐史観の洗脳」や「メディアが特定の勢力に牛耳られている」といった発言が、陰謀論的と批判されることが多いです。
これらの主張は、ムーがエンタメとして扱う陰謀論とは異なり、社会的な分断や過激な対立を煽る可能性があります。
X上でも、「参政党の街宣でムーの名前が使われたが、反応が薄かった」との声があり、党の主張がムー民の知的好奇心とは噛み合っていないようです。
参政党のこうした発言は、複雑な社会問題を単純化し、特定の「敵」を作り出すポピュリズムの特徴を持ち、健全な対話を阻害するとの指摘もあります。
ムーの読者層は、陰謀論を「嘘か本当か」を楽しむ知的エンタメとして受け止めており、参政党のガチな主張は、ムーの編集方針とは相容れない部分が多いのでしょう。
オカルト雑誌と政治の危険な接点
ムーが陰謀論を扱う際、その魅力は「わからないから面白い」という好奇心にあります。
三上さん自身、2021年のインタビューで「陰謀論を100%否定するのは危険。『わからない』という余裕を持つことが大事」と語っていました。
しかし、参政党のような政治的陰謀論は、単なる遊びを超えて現実の対立を煽るリスクがあります。
ムー編集部が三上さんのアカウントをブロックした背景には、こうした政治的発言が雑誌のブランドを損なうとの懸念があったのでしょう。
Xの投稿では、「ムー公式が編集長をブロックするなんて、風通しの良い組織」との声もあり、編集部の迅速な対応に好意的な意見も見られます。
ムーはこれまで、オカルトをエンタメとして楽しむ姿勢を貫いてきただけに、編集長の個人的な政治的発言が読者の失望を招いたことは否めません。
さいごに
月刊ムーの公式Xによる「ビンタ」発言は、編集部がブランドの信頼性を守るための強いメッセージでした。
オカルト雑誌としてのムーは、陰謀論を知的エンタメとして楽しむ場を提供してきましたが、参政党のような政治的陰謀論とは一線を画す姿勢を明確に示しました。
三上丈晴さんの個人的な発言は、ムーの編集方針とは異なるものであり、読者や編集部との間に溝を生んだことは残念です。
ムー民としては、今後も「嘘か本当か」を楽しむ純粋な好奇心を大切に、雑誌の魅力を支持していきたいところです。

