スタジオジブリの名作『もののけ姫』は、宮崎駿監督の深いメッセージと複雑なキャラクター描写で多くのファンを魅了してきました。
しかし、アシタカさんがカヤさんから受け取った大切な「玉の小刀」をサンさんに渡すシーンは、長年にわたり議論の的となっています。
この行動に対し、宮崎監督が「男なんてそんなもん」と発言したとされるエピソードや、ネット上での炎上が話題に上ることも少なくありません。
本記事では、アシタカさんの行動の背景やその意図、さらには宮崎監督の発言とされる言葉の真相について、ファンの視点から考察します。
この記事のまとめ
- アシタカさんがカヤさんから受け取った小刀をサンさんに渡した理由は、物語の文脈や彼の心情から複数の解釈が存在します。
- 宮崎監督の「男なんてそんなもん」という発言は、広く語られるものの、公式な出典が不明確で、ファンの間で議論が続いています。
- ネット上の炎上は、アシタカさんの行動に対する視聴者の感情や価値観の違いが背景にあります。
- カヤさんとサンさんの関係性や、アシタカさんの置かれた状況を考慮することで、彼の行動の理解が深まります。
アシタカがカヤから受け取った小刀をサンに渡した理由は?
アシタカさんがカヤさんから受け取った「玉の小刀」をサンさんに渡すシーンは、『もののけ姫』の物語中盤、シシ神の森での出来事です。
カヤさんは、アシタカさんが村を追放される際、掟を破って見送りに来て、「お守りするよう息を吹き込めました」「いつもいつもカヤは兄さまを思っています」と伝え、小刀を手渡しました(『ロマンアルバム もののけ姫』徳間書店)。
この小刀は、エミシの村で「乙女が変わらぬ心の証として異性に贈るもの」とされ、深い愛情や絆の象徴とされています(『ロマンアルバム もののけ姫』徳間書店)。
しかし、アシタカさんはこの小刀を、サンさんが人間への不信感から心を閉ざしているタイミングで、モロの君の子に預けて「サンにこれを渡してくれ」と託します。
この行動について、ファンからは「カヤさんの想いを軽んじた」「別の女性に渡すなんてひどい」との声が上がっています。
一つの解釈として、アシタカさんが小刀をサンさんに渡したのは、彼女に「生きてほしい」という願いを込めた行為だとする見方があります。
アシタカさんは、呪いによって自らの命が危うい中、サンさんが人間と森の戦いの中で生き延びることを願ったのかもしれません。
『ジブリの教科書10 もののけ姫』(文藝春秋)では、アシタカさんが小刀を渡す行為が「自分のためではなく、サンのために生きる」決意の表れであるとされています。
また、カヤさんとの別れが「今生の別れ」であり、アシタカさんが村との縁を断ち切った象徴として、髷を切るシーンが描かれています(『もののけ姫はこうして生まれた』徳間書店)。
このことから、アシタカさんはカヤさんとの関係を過去のものとして、サンさんに新たな希望を託した可能性があります。
さらに、別の考察では、アシタカさんがカヤさんとサンさんを重ね合わせていたとする説も存在します。
カヤさんとサンさんの声優を石田ゆり子さんが務めたことからも、宮崎監督が意図的に二人のキャラクターに共通性を与えた可能性が指摘されています。
この説では、アシタカさんがカヤさんの「変わらぬ心」をサンさんに引き継がせたかったとも考えられます。
宮崎駿監督の「男なんてそんなもん」発言の真相
アシタカさんの行動について、石田ゆり子さんが宮崎監督に抗議したところ、「男なんてそんなもん」と返されたという話が広く知られています。
この発言は、ネット上でたびたび引用され、ファンの間でアシタカさんへの批判や宮崎監督への疑問を増幅させました。
しかし、この発言の正確な出典は不明確です。
一部の情報では、ciatr.jpがこのエピソードを紹介していますが、公式なインタビュー記録や書籍での裏付けが見つかっていません。
『もののけ姫はこうして生まれた』(徳間書店)には、宮崎監督がカヤさんとアシタカさんの別れのシーンについて「アシタカは二度とカヤには会えない」「男らしく去った」と説明した記述はありますが、「男なんてそんなもん」という言葉は確認できません。
このため、発言が後から広まった噂である可能性も否定できません。
ファンの中には、宮崎監督がアシタカさんに「完璧ではない人間性」を持たせたかったとする見方もあります。
『ジブリの教科書10 もののけ姫』(文藝春秋)では、アシタカさんが「完璧に見えるが業を持った存在」として描かれたと分析されており、小刀を渡す行為は彼の未熟さや人間らしさを示す意図があったのかもしれません。
ネット炎上の背景とファンの反応
アシタカさんが小刀をサンさんに渡したことへの批判は、SNSやブログでたびたび話題となり、「玉の小刀問題」として知られるようになりました。
2018年の金曜ロードショー放送時には、X上で「カヤ推しとして胸が痛い」「アシタカ最低」といった投稿が相次ぎました。
この炎上の背景には、視聴者のカヤさんへの共感や、現代の価値観に基づく「浮気」や「裏切り」への反発があると考えられます。
特に、カヤさんが掟を破ってまでアシタカさんを見送り、愛情を込めて小刀を渡したシーンが、視聴者に強い印象を与えたためです。
一方で、アシタカさんを擁護する声も存在します。
「アシタカは村を追放され、カヤとの関係は終わっていた」「小刀はサンへのお守りとしての願いだった」とする意見は、物語の時代背景やアシタカさんの置かれた状況を重視しています。
また、室町時代の一夫多妻制を考慮し、カヤさんが「多くの妻の一人」だったとする説もありますが、これは公式な設定ではなく推測の域を出ません。
カヤとサンの関係性をどう捉えるか?
カヤさんとサンさんは、物語の中で直接関わることはありませんが、声優が同じ石田ゆり子さんであることから、ファンの間で関連性が議論されています。
カヤさんはアシタカさんの故郷を象徴する存在であり、サンさんは新たな旅先での出会いと未来への希望を象徴しているともいえます。
アシタカさんが小刀をサンさんに渡した行為は、カヤさんの想いを継承し、サンさんに新たな絆を築くための架け橋だったのかもしれません。
この解釈では、アシタカさんの行動はカヤさんを裏切るものではなく、彼女の愛情を別の形で未来に繋げる試みと見ることができます。
さいごに
『もののけ姫』の「玉の小刀問題」は、単なる恋愛の三角関係を超え、アシタカさんの人間性や宮崎監督の描きたかったテーマを浮き彫りにします。
アシタカさんが小刀をサンさんに渡した理由は、物語の文脈や彼の心情から多角的に解釈でき、一概に「裏切り」と断じるのは難しいでしょう。
宮崎監督の「男なんてそんなもん」という発言は、真相が不明ながらも、ファンの間で議論を巻き起こすきっかけとなりました。
この問題を通じて、視聴者それぞれの価値観や物語への解釈が交錯し、『もののけ姫』の奥深さが改めて感じられます。
あなたはこのシーンをどう解釈しますか? ぜひ、自身の視点で考えてみてください。

