サン=テグジュペリの名作『星の王子さま』に登場する「箱の中の羊」は、想像力の象徴として知られています。
是枝裕和監督の最新作『箱の中の羊』はこのモチーフからインスパイアされ、千鳥の大悟さんが主演を務めます。
死者の蘇りをテーマにした近未来の家族物語が、2026年に公開予定です。
本記事では、『星の王子さま』のエピソードを深掘りしつつ、是枝監督の作品とのつながりを探ります。
この記事のまとめ
- サン=テグジュペリの『星の王子さま』で「箱の中の羊」は、目に見えない想像力を描く象徴。
- 是枝裕和監督の『箱の中の羊』は、このタイトルを着想源に、死者の蘇りというテーマで家族の絆を探る。
- 千鳥の大悟さんが映画初主演、綾瀬はるかさんと夫婦役を演じる。
- ヒューマノイドを息子として迎える物語が、テクノロジーと人間の心の衝突を表現。
- 公開は2026年、是枝監督のインタビューから企画の背景が明らかになる。
サン=テグジュペリの『星の王子さま』に登場する「箱の中の羊」とは?
サン=テグジュペリの『星の王子さま』は、1943年に出版された不朽の名作です。
物語の冒頭で、語り手の飛行士がサハラ砂漠に不時着します。
そこに現れた小さな王子さまが、飛行士に羊の絵を描いてほしいと頼みます。
王子さまの星には猛獣がいるので、羊を箱に入れて運びたいそうです。
飛行士は最初、ボアが象を飲み込んだ絵を描きます。
これを大人たちは帽子だと勘違いします。
王子さまは、そんな絵では羊の様子がわからないと不満を漏らします。
そこで飛行士は、箱の中に羊が入っている絵を描きます。
この「箱の中の羊」は、想像力の重要性を象徴しています。
箱を開けると羊が出てくる、という王子さまの純粋な想像が、目に見えない本質を表します。
『星の王子さま』全体を通じて、「大切なことは目に見えない。だから心で見るんだ」というメッセージが繰り返されます。
このエピソードは、大人たちの現実主義に対する批判でもあります。
例えば、NHK for Schoolの解説では、「ねえ、ヒツジをかいて。ヒツジ!」という王子さまの言葉が、想像の扉を開くきっかけだと紹介されています。
また、文学解説サイトでは、この絵が「ほんとうはとても大事なことなのに『そんなことはどうでもいい』という大人たちの態度」を象徴すると指摘されます。
箱の中の羊は、読者の心に自由な想像を促す、物語の核心です。
このモチーフは、普遍的な哲学を内包し、後世の作品にも影響を与え続けます。
是枝裕和監督『箱の中の羊』の概要
是枝裕和監督の『箱の中の羊』は、2026年全国公開予定のオリジナル作品です。
監督が原案・監督・脚本・編集をすべて手がけます。
舞台はそう遠くない未来で、夫婦がヒューマノイドを息子として迎え入れます。
そこから家族の絆や人間性が試される物語が展開します。
配給はギャガ、配給協力は東宝です。
是枝監督の過去作のように、家族の複雑な関係を描きます。
『万引き家族』でパルムドールを受賞した監督の手腕が期待されます。
本作は、映画ナタリーの記事で「星の王子さま」からインスパイアされたタイトルだと報じられています。
この着想が、作品の詩的な深みを生み出します。
千鳥・大悟主演で描く死者の蘇り物語
千鳥の大悟さんが本作で映画初主演を果たします。
大悟さんは工務店の二代目社長・甲本健介役です。
綾瀬はるかさんが妻の建築士・甲本音々役で、夫婦の初共演となります。
物語の中心は、死者の蘇りを可能にするテクノロジーです。
是枝監督は、ファッションプレスのインタビューで「最新のテクノロジーで<死者を蘇らせる>という発想から始まった」と語ります。
中国で人気の「死者の蘇りビジネス」に着想を得ました。
このテーマは、ヒューマノイドを通じて人間の喪失と再生を探ります。
大悟さんは、MOVIE WALKER PRESSの記事で「ビビってます」と撮影の心境を明かしています。
監督の演出で自由な演技を促され、自然体が期待されます。
死者の蘇りは、家族の心に衝突を起こします。
千鳥さんの人間味が、物語に温かみを加えます。
このキャスティングが、未来の家族像を鮮やかに描き出します。
「箱の中の羊」と死者の蘇りのつながり
『星の王子さま』の「箱の中の羊」は、目に見えない存在を信じる想像を表します。
是枝監督の作品では、このモチーフが死者の蘇りに重ねられます。
箱の中の羊のように、ヒューマノイドは実体がない心の投影かもしれません。
Fan’s Voiceの記事で、監督は「テクノロジーの進化と人間の内面的なものが衝突すること」に興味を持ったと述べます。
死者を蘇らせる技術は、喪失したものを箱の中に閉じ込めるようなものです。
王子さまの羊が自由を求めるように、物語は人間の心の解放を描きます。
このつながりが、作品の哲学的なレイヤーを生みます。
観客は、想像力で未来の家族を読み解くでしょう。
さいごに
サン=テグジュペリの『星の王子さま』に登場する「箱の中の羊」は、想像の力を教えてくれます。
是枝裕和監督の『箱の中の羊』は、この遺産を死者の蘇りという現代テーマに結びつけます。
千鳥の大悟さんの主演が、新鮮な風を吹き込みます。
2026年の公開が、心に残る家族物語を届けてくれるはずです。
ぜひ、劇場でこの世界に浸ってみてください。

