なぜEVモーターズ社長が突然引責辞任したのか? 中国製EVバス不具合113台とロンドン1758台リコールの共通点がヤバすぎる理由

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2026年2月20日、EVモーターズ・ジャパンから重大な発表がありました。創業者の佐藤裕之さんが代表取締役社長を引責辞任し、後任に角英信副社長が就任するという内容です。大阪・関西万博で運行された中国製EVバスを中心に不具合が相次ぎ、販売した317台のうち113台でトラブルが確認された責任を取った形となります。この記事では、公式発表や報道に基づく事実を整理し、辞任の背景を詳しくお伝えします。

この記事のまとめ

  • 佐藤裕之さんが2026年2月28日付で社長を退任し、技術顧問として残る形で責任を明確化しました。
  • 辞任の直接的原因は、国内納入317台中113台で確認されたブレーキホース損傷などの不具合です。
  • 大阪・関西万博では113台が運行に影響を受け、走行停止や修理を余儀なくされました。
  • 2025年11月にはWISDOM製小型バス85台を対象にブレーキホースのリコールを届け出、2026年1月末に完了しています。
  • 会社は品質管理体制の強化と国内生産移行を再発防止策として発表し、新体制で信頼回復を目指します。
  • 中国製EVバス特有の品質課題は、海外事例(ロンドンでの大量リコール)とも共通する点が指摘されています。

佐藤裕之社長が引責辞任した理由とは

佐藤裕之さんが突然の辞任を決めた最大の理由は、販売したEVバスの不具合が全国的に相次いだ経営責任です。会社は2026年2月20日の中間報告で、次のように公式に述べています。「この度発生いたしました一連の車両不具合と、お客様ならびに社会の皆さまに多大なるご心配をおかけした経営責任を重く受け止め、経営体制の刷新および代表取締役の交代を実施いたします。」

国土交通省が2025年9月5日に指示した全317台の総点検で、113台に不具合が見つかりました。具体的な内容は乗降口ドアのゴム部欠落、エアコンエラー、そして安全運行の根幹に関わるブレーキホースの損傷・接触などです。これにより大阪・関西万博で使用された車両も運行停止や修理を強いられ、社会的な注目を集めました。佐藤裕之さんは創業以来、国産商用EVの推進を掲げてきただけに、責任を明確にする形で退任を決断したと考えられます。後任の角英信さんは2019年の創業時から参加しており、税理士事務所出身の経験を活かした新体制となります。

EVモーターズ・ジャパンの事業背景と中国製EVバスの位置づけ

EVモーターズ・ジャパンは2019年に北九州市で創業した企業で、当初は商用EVの国産化を目指していました。2023年末には国内初の商用EV専用量産工場の一部が完成し、年間1500台の生産目標を掲げ、政府からも視察を受けるなど期待を集めました。しかし、実際の車両は中国メーカー(主にWISDOM社など)に製造を委託した輸入販売形態でした。

大阪・関西万博では同社が113台を供給し、会場アクセス手段として運行されました。報道によると、これらの車両は中国から輸入されたもので、「国産EVバス」として宣伝されていた点が後々の議論を呼んでいます。並行輸入のスキームを活用したため、大量導入が可能になった一方で、品質管理の徹底が課題となったのです。

大阪万博113台に起きた不具合の詳細

大阪・関西万博で使用された113台では、走行中に停止するトラブルやドア関連の不具合が報告されました。国土交通省の指示を受けて実施された総点検では、これらの車両を含む317台全体で113台に問題が確認されました。不具合率は約35%に上り、1台あたり複数箇所のトラブルが見つかったケースもありました。

会社は「対象車両については速やかに部品交換および整備を実施し、不具合を解消した」と説明しています。大阪での待機車両については運行事業者と協議を続け、順次対応を進めている状況です。これらの事実が、佐藤裕之さんの辞任につながる直接的なきっかけとなりました。

2025年11月のブレーキホースリコールと対応状況

不具合の深刻さを象徴するのが、2025年11月28日に届け出られたリコールです。対象はWISDOM製6.99mコミュニティバス(F8 series4-Mini Bus)85台で、ブレーキホースの取り付け位置調整や保護部材追加などの設計不良が原因と判断されました。会社は「設計検討の不十分による設計不良」と認め、対策品への交換を完了させ、2026年1月末に全車両の作業を終えています。

総点検ではブレーキホースの損傷・接触を最優先事項とし、部品交換で安全性を確保したとしています。ただし、一部のお客様から「交換方法が分かりにくい」「必要な治具がない」といった指摘があり、これを踏まえた抜本的な設計変更を行った点が公式報告で強調されています。

中国製EVバスに共通する品質課題とロンドン事例

タイトルで指摘されている「ロンドン1758台リコール」との共通点は、中国製EVバス特有の品質管理の難しさにあります。2024年、英国(ロンドン)では中国BYD社製バッテリーを搭載したEVバス約1758台(一部報道では2000台規模)が火災リスクにより緊急リコールとなりました。走行中や充電中の炎上懸念が背景にあり、公共交通での大量導入後に発覚した点が日本の事例と重なります。

両ケースとも、低価格で大量供給された中国製車両が、ブレーキやバッテリーなどの重要保安部品でトラブルを起こし、大規模リコールや運行停止に至った点が共通しています。EVモーターズ・ジャパンの場合も製造委託先での検査不足が指摘されており、輸入販売形態の限界が浮き彫りになりました。これらの事実は、中国製EVバスを公共用途で活用する際の注意点を改めて示しています。

会社が発表した再発防止策と品質管理強化

会社は辞任発表と同時に、再発防止策を詳細に公表しました。主な内容は以下の通りです。

出荷前の品質管理として、製造委託先でのPDI検査に自社品質管理部門の役職者が必ず立ち会う義務化、過去不具合を踏まえた追加検査の導入、工程内品質監査の実施などを実施しています。また、出荷後の体制として「テクニカルサポートグループ」を新設し、不具合情報を一元管理。運行事業者向けに「テクニカルレポート」や「インフォメーションレポート」を提供して連携を強化するとしています。

さらに、長期的な方針として「現行の並行輸入スキームから、国内一部製造、そして完全な国内生産へと段階的に移行する計画」を具体化。安全推進委員会の設置も予定しており、日本品質に適合したEV提供を目指す姿勢を明らかにしました。

さいごに

佐藤裕之さんの引責辞任は、EVモーターズ・ジャパンが直面した不具合問題に対する真摯な対応と言えます。中国製EVバス113台のトラブルから始まり、リコールや総点検を経て、新体制への刷新まで、すべて公式発表に基づく事実です。公共交通の安全を担う車両として、今後は国内生産の加速と徹底した品質管理が鍵となるでしょう。読者の皆さんも、EVバス導入を検討される際はこうした事例を参考に、安全性を最優先にしていただければと思います。信頼できる移動手段としてEVがさらに普及することを願ってやみません。

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