2025年4月27日、香港のクイーンエリザベス2世カップで、2023年の牝馬三冠馬リバティアイランドが最後の直線で故障し、競走を中止しました。
その後、予後不良の診断を受け、安楽死の処置が施されたことが発表され、競馬ファンに大きな衝撃を与えました。
この記事では、リバティアイランドの予後不良と安楽死に至った経緯、彼女の輝かしい功績、そして競馬界に残した影響について詳しくお伝えします。
- リバティアイランドは、2025年4月27日のクイーンエリザベス2世カップで左前脚の種子骨靭帯断裂と球節部亜脱臼により競走中止、予後不良で安楽死の処置が施されました。
- 2022年の阪神ジュベナイルフィリーズ、2023年の桜花賞、オークス、秋華賞を制し、史上7頭目の牝馬三冠を達成しました。
- ジャパンカップ2着や海外での活躍など、競馬界に大きな足跡を残しました。
- ファンや関係者に深い悲しみをもたらし、競馬のリスクや動物福祉について議論を呼び起こしています。
- 川田将雅騎手のコメントは見つからなかったものの、過去のレースでの深い信頼と絆が彼女のキャリアを支えました。
リバティアイランドの予後不良と安楽死の経緯
2025年4月27日、香港・シャティン競馬場で行われたクイーンエリザベス2世カップ(G1、芝2000メートル)で、リバティアイランドは後方から徐々にポジションを上げ、勝負どころで外から追い上げる展開でした。
しかし、最後の直線で突然フットワークが乱れ、急失速。川田将雅騎手が下馬し、競走を中止しました。
サンデーサラブレッドクラブの公式発表によると、左前脚の種子骨靭帯の内側と外側を断裂し、球節部が亜脱臼した状態で、獣医師により予後不良と診断され、安楽死の処置が施されたそうです。
レース映像では、残り300メートル付近でリバティアイランドが他の馬に挟まれる形で進路を失い、スピードを落とした瞬間が確認できます。
このアクシデントが故障の直接的な原因かどうかは明らかではありませんが、競馬の激しい競り合いの中で起きた悲劇でした。
中内田充正調教師は、「無事に帰国させられず、申し訳ございません」と謝罪のコメントを発表し、深い悲しみを表明しています。
川田将雅騎手の具体的なコメントは今回のレースに関する報道では見つかりませんでしたが、彼が下馬してリバティアイランドを気遣う姿が多くのメディアで報じられており、彼女への深い思い入れが伝わってきます。
牝馬三冠の輝かしい功績
リバティアイランドは、2020年に生まれ、父ドゥラメンテ、母ヤンキーローズという血統を持つ鹿毛の牝馬です。
2022年7月のデビュー戦では、上がり3ハロン31秒4という驚異的な末脚で勝利し、注目を集めました。
同年、阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)を制し、最優秀2歳牝馬に輝いています。
2023年は、桜花賞、オークス、秋華賞を3連勝し、史上7頭目の牝馬三冠を達成しました。
特に秋華賞では、圧倒的なパフォーマンスで競馬ファンを魅了しました。このレース後、川田将雅騎手は「心から感動しています。
無事に自分の能力さえ発揮すれば同世代ではこうやって圧倒的なパフォーマンスが出来る馬ですので、こうして三冠をとったことによって日本の歴史にも名を残すことができる」と語り、リバティアイランドへの絶対的な信頼を表明しました。
この年、ジャパンカップでは当時最強とされたイクイノックスに果敢に挑み、2着に健闘。
最優秀3歳牝馬にも選ばれました。4歳以降は海外に挑戦し、ドバイシーマクラシック3着、香港カップ2着など、世界の舞台でもその実力を示しました。
香港カップ後、川田将雅騎手は
「リバティアイランドもとても具合良く、良い状態で競馬を迎えてくれましたし、彼女が気持ち良く走れるようにというのをメインに、この競馬を組み立てて、強い勝ち馬を意識して、馬体を合わせないように少し離れたところから捕まえに行くというプランでした」
とコメントし、彼女の状態とレースプランへの自信を語っています。
デビューから全12戦、川田将雅騎手が騎乗し、馬と騎手の強い絆が彼女の活躍を支えたと言えるでしょう。
競馬界への影響とファンの反応
リバティアイランドの突然の死は、競馬界に大きな衝撃を与えました。
Xでは、「リバティアイランド」「競走中止」「三冠牝馬」などのワードがトレンド上位を独占し、ファンからは「本当に言葉が出ない」「信じたくない」「悲しすぎて涙が止まらない」といった悲痛な声が溢れました。
一部のXユーザーは、川田将雅騎手の騎乗スタイルについて議論し、「川田らしさ満載の乗り方で馬を潰しちゃってるね」といった意見も見られましたが、これは一部の個人的な見解に過ぎません。
一部のファンは、彼女の海外遠征の過密スケジュールや競馬のリスクについて議論を始めています。
あるXユーザーは、「偉業を成した名馬が早く引退するのは、繁殖牝馬としての価値を保持するためでもある」と、競走馬の健康管理とキャリアのバランスについて言及しています。
また、英国の競馬メディア「アットザレーシズ」も、「本当に悲しい知らせです。リバティアイランド、安らかに」と追悼メッセージを投稿し、彼女の功績が海外でも高く評価されていたことを示しています。
インタビュー記事からの声
クイーンエリザベス2世カップでのリバティアイランドの予後不良に関する川田将雅騎手の直接的なインタビュー記事やコメントは、現在のところ見つかりませんでした。
しかし、過去のレースでの彼の発言からは、リバティアイランドへの深い信頼と愛情が伝わってきます。
たとえば、2023年のオークス勝利後、川田将雅騎手は
「何より、この馬にかかわる僕以外の方々がとても神経をすり減らし続けたと思いますし、僕は最後の、レースでの手綱であったり、追い切りで少し跨るだけですので、日々の皆さんの積み重ねのもと、この子が沢山の事を学び、二冠馬になってくれた」
と語り、チーム全体の努力とリバティアイランドの成長を称賛しました。
また、2024年の天皇賞・秋での大敗(13着)後には、「返し馬の雰囲気も良く、4角までは抜群の手応えで来たのですが、これだけ動けなかったのは初めてです」とコメントし、彼女の異変に対する戸惑いを率直に表現しています。
これらの発言から、川田将雅騎手がリバティアイランドの状態を常に細かく観察し、彼女の能力を最大限に引き出すことに全力を尽くしていたことがうかがえます。
さいごに
リバティアイランドの予後不良と安楽死は、競馬ファンだけでなく、競馬界全体にとって大きな損失です。
牝馬三冠という歴史的偉業を達成し、国内外で輝かしい活躍を見せた彼女の姿は、永遠にファンの心に刻まれるでしょう。
川田将雅騎手との絆は、彼女の全12戦を通じて築かれた特別なもので、その信頼関係が数々の勝利を生み出しました。
この悲劇を通じて、競走馬の健康管理や競馬のリスクについて改めて考えるきっかけが生まれています。
リバティアイランドの自由奔放な走りが競馬場にもたらした感動を胸に、彼女の冥福を心からお祈りします。