2025年4月13日から10月13日まで開催中の大阪・関西万博。開幕から1カ月以上が経過しましたが、来場者数の低迷が課題となっています。
そんな中、閉場時間を22時から23時に延長する案が浮上しています。
この記事では、閉場時間延長の理由と、それが来場者増にどれほどの効果をもたらすのかを、関係者の声や現状をもとに解説します。
- 大阪万博の閉場時間を22時から23時に延長する案が、来場者数拡大のために検討されています。
- 延長の主な理由は、夜間利用の需要に応え、滞在時間を増やすことで来場を促すことです。
- しかし、X上の声では、予約制やアクセスの課題が低迷の主因とされ、延長の効果に疑問が呈されています。
- 運営面では、スタッフの労働負担や交通機関の調整が課題として浮上しています。
- 現時点で、延長案は議論中で正式決定には至っていません。
閉場時間延長の理由は「来場者拡大」
大阪・関西万博の閉場時間延長案は、博覧会国際事務局(BIE)と大阪府・大阪市が中心となって検討しているものです。
朝日新聞によると、2025年5月17日のBIEのケルケンツェス事務局長と吉村洋文知事、横山英幸市長らの会談で、閉場時間を現在の22時から23時ごろに延ばす案が議論されました。
主な理由は「来場者の拡大」です。
万博の公式サイトによれば、会期中の想定来場者数は約2,820万人とされていますが、開幕1週間で60万人(4月19日時点)と、期待を下回るスタートでした。
特に、午前中の入場時間予約制(9時~11時)により、予約が取れない来場者が入場を諦めるケースが多いと指摘されています。
このため、夜間の滞在時間を延ばすことで、仕事終わりや夕方以降の来場を促し、全体の来場者数を増やそうとする狙いがあるようです。

延長による来場者増の効果は未知数
閉場時間延長が来場者増にどれほど効果を発揮するかは現時点で不透明です。
X上では、延長案に対する懐疑的な声が目立ちます。
たとえば、@atsuko6ayさんは「23時に終わったからって来場者増える? 来場者が増えないのは他の理由があると思うよ」と投稿し、予約制やアクセスの問題が低迷の主因だと指摘しています。
また、@usj1さんは「閉園時間を遅くしても、入場者が増えるわけない」と、予約制の制限がボトルネックだと強調しています。
実際、会場のある夢洲は人工島で、アクセスが大阪メトロや市バスに限られるため、輸送能力の制約が課題です。
23時まで運営を延長する場合、最終電車やバスの運行時間調整が必要となり、これが実現しないと帰宅手段に不安を抱く来場者が増える可能性もあります。
@atsuko6ayさんは「終電間に合う…?」と懸念を表明しています。

運営面での課題:スタッフとコスト
閉場時間延長は、運営側にも影響を及ぼします。
@Kabuki_friendsさんは「スタッフの労働時間が延びるけどその分コストも増えるし人材確保してんのかな?」と、スタッフの負担増と人件費の問題を指摘しています。
すでに万博会場では、建設遅れや予算増(最大2,350億円)といった課題が報じられており、 運営コストのさらなる増加は、財政面での議論を呼びそうです。
また、交通機関の調整も急務です。大阪メトロ中央線の夢洲駅が主要なアクセス手段ですが、夜間帯の増便や最終便の延長がなければ、来場者の利便性向上が難しいでしょう。
これらの課題が解決されない場合、延長による来場者増の効果は限定的になる可能性があります。

インタビュー記事に見る専門家の見解
日刊ゲンダイDIGITALのインタビュー記事では、万博を追うジャーナリストが「アホな連中が仕切るからおかしなことになっている」と、運営の混乱を批判しています。
この記事では、閉場時間延長には直接言及していませんが、予約制やアクセスの不便さ、国民の関心の低さが来場者低迷の要因として挙げられており、延長だけでは根本的な解決にならないとの見方が示唆されています。
また、朝日新聞の取材で、大阪経済大学の下朗教授は、万博の経済波及効果(約2.9兆円)について語っていますが、来場者数が想定を下回ると地域経済への恩恵が減少する可能性を指摘しています。
閉場時間延長が来場者増につながらない場合、期待された経済効果にも影響が出るかもしれません。

さいごに
大阪・関西万博の閉場時間延長案は、来場者数を増やすための試みとして注目されていますが、効果には疑問符が付いています。
予約制やアクセスの課題、運営コストやスタッフの負担など、解決すべき問題が山積みです。
X上の声からも、延長よりも根本的な課題解決を求める意見が強いことがわかります。
万博の成功には、来場者の利便性向上と魅力的なコンテンツの提供が不可欠です。
今後の議論と対応に注目が集まります。
