夏の暑い車内にモバイルバッテリーを放置するとどうなる？知っておきたい危険と正しい保管方法

夏の暑い日に車内にモバイルバッテリーを置き忘れた経験はありませんか？

便利なモバイルバッテリーですが、夏場の車内は高温になりやすく、放置することで思わぬ危険が潜んでいます。

この記事では、モバイルバッテリーを車内に放置するとどうなるのか、具体的なリスクや安全な保管方法について詳しく解説します。

安全に使うためのポイントを押さえて、事故を未然に防ぎましょう。

この記事のまとめ

夏の車内は、気温が30℃の快晴の日でも、閉め切った状態で70～80℃に達することがあります。

このような高温環境下でモバイルバッテリーを放置すると、リチウムイオン電池に深刻な影響が出ます。

製品評価技術基盤機構（NITE）の発表によると、車内の高温環境はモバイルバッテリーの発火リスクを高めます。

特に、ダッシュボード上など直射日光が当たる場所に放置した場合、電池の構成部品が変形し、ショートして電解液に着火する可能性があります。

夏は車内にモバイルバッテリー置いたらあかんで
おじさんとの約束や pic.twitter.com/hgdek9Hzho
— ひろえのりを (@hirosmellrec) July 9, 2025

実際、気仙沼・本吉地域広域行政事務組合消防本部の報告では、ソーラーパネル式モバイルバッテリーをダッシュボード上に放置した結果、車内温度の上昇により発火し、車両の内装を焼損する火災が発生した事例が紹介されています。

この事故では、エンジン停止後約2時間で火災に至ったとされています。

モバイルバッテリーの多くはリチウムイオン電池を使用しており、この電池は熱に非常に弱い性質を持っています。

NITEの調査によると、リチウムイオン電池は高温環境にさらされると内部の化学反応が不安定になり、発熱や発火、場合によっては爆発のリスクが高まるとされています。

特に、夏場の車内は温度が急上昇しやすく、45℃を超えると危険性が顕著に増加します。

Xの投稿でも、ユーザーの@ada_nandayoさんが「真夏のダッシュボードは70～80℃、車内でも45℃以上になる」と指摘し、発火リスクを警告しています。

さらに、東京消防庁のデータによると、2021年にリチウムイオン電池関連の火災は141件発生し、前年比で37件増加しました。

原因の一つとして、夏場の高温環境での放置が挙げられています。

過去の事例からも、車内放置による危険性が明らかです。

前述の気仙沼の火災事故では、ソーラーパネル式モバイルバッテリーがダッシュボード上で高温にさらされ、火災が発生しました。

このケースでは、太陽光による充電がさらに熱を増加させた可能性が指摘されています。

また、郡山地方広域消防組合も「モバイルバッテリーの車内放置は危険」と注意喚起し、車両火災のリスクを強調しています。

これらの事例から、ダッシュボードや窓際など直射日光が当たる場所での放置は特に危険であることがわかります。

また、モバイルバッテリーだけでなく、スマートフォンやファン付き作業服など、リチウムイオン電池を使用する製品全般にも同様のリスクがあるため、注意が必要です。

モバイルバッテリーを安全に使用・保管するためには、以下のポイントを押さえることが重要です：

車内放置を避ける：高温になる車内にモバイルバッテリーを放置しないようにしましょう。特に夏場は、車内の温度が短時間で急上昇します。持ち運びが難しい場合は、車内の涼しい場所（例：グローブボックスやトランクの遮光された部分）に保管してください。
直射日光を避ける：ダッシュボードや窓際など、太陽光が直接当たる場所は避けましょう。NITEは「直射日光の当たる場所に放置しない」と明確に警告しています。
適切な製品を選ぶ：信頼できるメーカーの製品を選び、過充電防止機能や温度保護機能が搭載されたものを優先しましょう。エレコム株式会社の記事では、こうした安全機能が事故防止に役立つとされています。
定期的な点検：モバイルバッテリーの外装に傷や膨張がないか確認し、異常があれば使用を中止してください。劣化した電池は発火リスクが高まります。