2025年10月に山形県酒田市の私立酒田南高校野球部で起きたいじめ関連の暴力行為が、2026年2月に入り再び大きな注目を集めています。SNS上で被害者が動画を投稿したことを理由に退学処分になったとの情報が急速に広がり、「被害者が退学処分なんてありえない」との怒りの声が相次いでいます。本記事では、報道や学校の公式発表に基づく確認された事実を中心に事件の経緯を整理し、学校対応への批判点についてもお伝えします。
この記事のまとめ
- 2025年10月7日に野球部寮内の暴力行為を撮影した動画4本がSNSに投稿され、部活動が休止されました。
- 動画には部員が別の部員を蹴る様子や全裸で連れ回す様子が映っており、学校は暴力事実を確認しました。
- 調査の結果、以前にも同様の暴力行為があったことがわかり、12月末で監督と部長が解任されました。
- SNSでは「動画を投稿した被害者が退学処分になった」との主張が広がっていますが、学校の公式発表では確認されていません。
- 学校は生徒の人権保護を最優先に調査を進め、厳正な対処を行う方針を示しています。
- この対応に対し、被害者を守らず学校の体面を優先したとの批判がネット上で多く寄せられています。
被害者が退学処分になったとされる真相
多くの人が検索されている「被害者が退学処分」という点について、まず確認された事実からお伝えします。学校や主要メディアの報道では、被害者を含む個々の生徒に対する具体的な処分内容は一切公表されていません。学校は「個人の特定につながる」として、被害者や加害者の処遇について回答を控えています。
一方、2026年2月18日頃にSNS上で動画が再拡散されたことをきっかけに、「全裸で首輪を付けられて連れ回された被害者が、動画を投稿したことを理由に退学処分になった」との情報が急速に広がりました。これらの主張は主にXなどのプラットフォーム上で見られ、「被害者を全裸にして首輪プレイした問題で、動画を投稿した被害者が退学処分」という投稿が複数確認されています。しかし、これらは学校公式や朝日新聞、日テレニュースなどの信頼できる報道では一切裏付けられておらず、未確認の情報です。
学校の公式見解として、2025年10月10日付の第2報では「本校野球部寮生による不適切行為および動画拡散の件で、多大なご心配とご心労をおかけしております」と謝罪し、「警察や関係機関との連携のもと、事態の全容解明に向けた慎重かつ集中的な調査を進めております」と述べています。被害者保護を最優先とする姿勢は示されていますが、退学処分に関する具体的な言及はありません。したがって、現時点で「被害者が退学処分になった」という事実は公式に確認できておらず、SNS上の情報がそのまま事実であるとは言い切れない状況です。
事件の経緯と確認されている暴力行為の内容
事件は2025年10月7日に始まりました。野球部寮内で撮影されたとみられる動画4本がSNSに投稿され、瞬く間に拡散しました。動画の内容については、学校の調査で以下の点が確認されています。
- 部員が別の部員を蹴る行為
- 全裸状態で連れ回す様子
朝日新聞の報道(2025年12月24日)では「部員1人が別の部員1人を蹴っていたことを確認。ほかの暴力行為はなく、被害を受けた部員に大きなけがはなかった」とされています。一方、日テレニュース(2025年12月23日)では「蹴ったり、全裸で連れ回したりする暴力行為」とより具体的に報じられており、以前にも同様の行為があったことが聞き取り調査で明らかになりました。
学校は投稿の翌日8日から部活動を休止し、関係者への聞き取り調査を開始。山形県教育委員会、山形県高校野球連盟、酒田警察署に報告・相談を行いました。11月には報告書を県高野連に提出し、12月上旬には監督と部長への解任を通知しています。
学校の対応内容と処分
学校の主な対応は以下の通りです。
- 野球部活動の一時休止(後に11月から練習再開、対外試合は自粛継続)
- 監督・部長の解任(北川泰俊監督と阿部祐也部長を12月末付で解任)
- 元副部長の阿彦祐幸氏を監督代行に指名
解任の理由は「部員への指導に問題があった」ことと、以前からの同様暴力行為の存在です。加害生徒からの直接謝罪は行われておらず、「当事者同士を校内で合わせないようにしている」ためです。再発防止策については現在も「検討中」とされています。
校長の齋藤法明氏は公式文書で「生徒の心のケアと人権保護を最優先に」と繰り返し強調し、「調査結果に基づき、行為の悪質性に応じて厳正かつ毅然とした対処を行う」との方針を示しています。
過去の類似問題と再発の背景
酒田南高校野球部は春夏通算11回の甲子園出場を誇る強豪校ですが、過去にも暴力問題を抱えていました。2018年には寮内で集団暴行が発生し、春季県大会の出場を辞退しています。また、2009年の飲酒問題、2022年の喫煙問題でも対外試合禁止処分を受けています。
今回の事件では「以前にも同様の暴力行為があった」ことが確認されたため、指導体制全体への責任が問われ、監督・部長の解任につながりました。長年にわたる問題の蓄積が、今回の批判を強めている要因の一つです。
学校対応への批判の主なポイント
SNS上で最も多く見られる批判は「被害者を守らず、むしろ排除している」という点です。動画を投稿した被害者が処分を受けたとの情報が広がったことで、「加害者を守り被害者を退学させる学校対応は体面優先」「いじめを告発した者が罰せられるなんてありえない」といった声が殺到しています。
また、加害生徒の処分が不明瞭であること、当事者間の直接謝罪がないこと、再発防止策が「検討中」のまま具体性を欠いている点も指摘されています。結果として、学校が野球部の名誉や甲子園実績を守るために被害者を切り捨てたのではないか、という疑念が強まっています。
さいごに
酒田南高校野球部いじめ事件は、確認された暴力事実と学校の指導責任を浮き彫りにしました。一方で、被害者退学処分に関する情報は現時点で公式確認が取れておらず、慎重な見極めが必要です。学校には生徒の人権を守るための透明性の高い対応が求められます。いじめ問題が繰り返されないよう、関係者全員が真摯に取り組むことを願っています。最新情報が入り次第、随時更新してまいります。

