銀座の路地裏にひっそりと佇む創業103年の老舗和菓子店「木挽町よしや」で、訪日外国人客による無断キャンセルが相次ぎ、店側が悲鳴を上げています。この騒動は、2025年11月11日の公式X投稿から一気に広がり、多くのメディアで取り上げられました。人気のどら焼きを求める予約が殺到する中、なぜこんな悲劇が起きるのか。電話中心の予約システムがもたらす課題を、店主の声や実際の事例から紐解いていきます。
この記事のまとめ
- 木挽町よしやの無断キャンセル騒動は、主に訪日外国人客の予約が取りに来ないケースが原因で、2025年11月に公式Xで公表された
- 電話やLINE予約のシステムが、言語の壁や連絡の難しさを生み、無断キャンセルを助長している
- 店主の斉藤大地さんはインタビューで「材料の廃棄が重くのしかかる」と実情を語り、カード決済導入などの対策を検討中
- 利用者からは「本当に食べたい人は来るはず」との声が上がり、店頭販売強化の提案も
- 騒動を教訓に、予約時の明確なルール共有がトラブル防止の鍵となる
木挽町よしやの無断キャンセル騒動はなぜ起きた?
木挽町よしやの看板商品、しっとりとした皮に甘さ控えめの粒あんを詰めたどら焼きは、1日限定生産のため予約が必須です。この人気ゆえに、訪日外国人客からの予約が急増しましたが、それが無断キャンセルの温床となりました。騒動の火付け役となったのは、2025年11月11日の公式X投稿です。
「訪日外国人のお客様。予約の場合ほとんどの方が、#無断キャンセルで取りに来てくれません。無下にお断りすることもできないので、本当に困っています。」
この投稿は瞬く間に拡散され、J-CASTニュースなどのメディアが取材に乗り出しました。店主の斉藤大地さんは、取材に対し「中にはちゃんと取りに来てくださる方もいらっしゃる」と前置きしつつ、無断キャンセルがもたらすダメージの深刻さを吐露しています。
「(無断キャンセルがあると)1つ1つがけっこう重くのしかかってくる。本当に困っています。」
なぜこうした事態が起きたのか。根本には、インバウンド需要の急回復と、予約システムの旧態依然とした仕組みがあります。斉藤さんはさらに、「来店での予約だけでなく、電話やLINEの予約でも受け取りに来ないことがあり、海外の番号にかけてもつながらないことが多い」と説明します。訪日客が「はい、戻ってきます」と約束しても、予定変更や言語の誤解で連絡が途絶え、結果として材料を無駄に廃棄せざるを得ない状況が続出しているのです。
過去の事例として、20個入りを複数箱注文したのに無断キャンセルされたケースも報告されており、店側の負担は計り知れません。この騒動は、単なるマナー問題ではなく、グローバル化する観光地での小規模店舗の脆弱性を浮き彫りにしています。
人気店の電話予約システムが招いた悲劇
木挽町よしやの予約は、主に電話やLINEで行われます。オンラインシステムを導入していないこのアナログな方法は、伝統を守るための選択ですが、訪日外国人客の増加で限界を迎えています。午前中に予約が埋まりやすいため、店頭で「午後にいらっしゃいますか」と英語で尋ね、了承を得ても来ないケースがほとんどだそうです。
言語と連絡の壁が引き起こす連鎖
斉藤さんはインタビューで、予約時のコミュニケーションの難しさを指摘します。「英語で伝えると『はい』と返事をもらうのですが、大体来ないんです」と。電話予約の場合、海外番号の着信拒否や、タイムゾーンの違いが連絡を阻害します。また、LINE予約でも、通知を見逃す訪日客が多く、フォローアップが追いつかないのが実情です。
このシステムは、国内客には信頼を築くツールですが、国際的なお客さんには誤解を生みやすい。結果、無断キャンセルが「悲劇」として店を追い詰め、廃棄ロスだけでなく、機会損失も生んでいます。X上では、こうした背景に共感する声が相次ぎ、「本当に食べたい人は来るはずなのに」との意見が目立ちます。
店主の声と利用者の反応
騒動直後、Xではさまざまな反応が寄せられました。店主の投稿に励ましのリプライが殺到し、中には「コンシェルジュのみ予約にしたら?」との提案も。一方で、斉藤さんは「敷居が低い店でありたい」と応じ、慎重な姿勢を示しています。
メディアインタビューから見える店側の苦悩
J-CASTニュースの取材で、斉藤さんは「無下にお断りすることもできない」とのジレンマを明かしました。訪日客を拒否すれば観光地のイメージを損ない、受け入れればリスクを負う。こうした板挟みが、電話予約の「悲劇」を加速させています。
今後の対策と教訓
この騒動を受け、木挽町よしやではカード決済の導入を検討中です。これにより、無断キャンセル時の返金不可ルールを設け、抑止力を高める狙いがあります。また、店頭販売の強化や、予約時の明確なポリシー告知も進められています。
利用者側も、予約前にルールを理解し、予定変更時は速やかに連絡を。Xの声から、「店頭のみ販売にしたら?」とのアイデアも参考になります。
さいごに
木挽町よしやの無断キャンセル騒動は、人気店の喜びと予約システムの悲劇を象徴する出来事でした。斉藤大地さんの率直な訴えが、多くの共感を呼んだように、小さな老舗の声が観光のあり方を変えるきっかけになるかもしれません。どら焼きを愛する私たちも、マナーを守りながら支えていきましょう。

