高市早苗首相率いる内閣は、2025年10月の発足以来、驚異的な支持率を維持しています。
読売新聞の12月調査で73%、産経・FNN合同調査で75.9%、朝日新聞で68%など、報道各社の平均で7割前後をキープ。特に若年層(18~29歳)では92.4%という圧倒的な数字を記録しています。
しかし、2026年1月9日の読売新聞報道で、1月23日召集の通常国会冒頭での衆院解散が本格検討されていることが明らかになりました。
投開票は2月上中旬(1月27日公示→2月8日投開票、または2月3日公示→2月15日投開票)が有力視されており、高支持率を活かした政権基盤強化の狙いが透けて見えます。
一方で、真冬の選挙は豪雪地帯の投票環境に深刻な影響を及ぼす可能性が高く、地方住民からは「雪で投票所に行けない」という切実な声が上がっています。
また、同時期に進行中の円安加速(1ドル=157円台突破の場面も)は、積極財政姿勢への市場警戒が背景にあり、輸入物価高騰を通じて国民生活を直撃しています。
この記事では、事実とデータを基に、これらのリスクを深く掘り下げます。
この記事のまとめ
- 高市内閣の支持率は発足以来6~7割台を維持、特に若年層で9割超えの異例の高さだが、自民党政党支持率は2~3割台と乖離が顕著。
- 通常国会冒頭(1月23日)の衆院解散検討が進み、2月上中旬投開票の場合、豪雪期の投票率低下リスクが極めて高い。
- 過去の国政選挙データでも冬期は投票率が低下傾向で、地方の「雪で投票所に行けない」という声は現実的な問題。
- 円安加速の主因は「責任ある積極財政」への市場懸念で、長期金利上昇と連動し、輸入物価高騰が物価上昇を悪化させ、実質賃金マイナスを長期化。
- ガソリン暫定税率廃止などの減税・支援策は推進中だが、財政拡張の副作用が円安を助長し、生活負担増の矛盾を抱えている。
支持率7割超えの背景と現実:若年層中心の「高市効果」と党勢のギャップ
高市早苗首相内閣は発足後、支持率の高さを維持し続けています。
読売新聞の12月19~21日調査で73%(前回72%から微増で最高更新)、産経・FNN合同調査で75.9%、朝日新聞で68%、毎日新聞で67%と、報道8社の平均でも高水準です。
特に注目されるのは年代別支持率で、産経・FNN調査では18~29歳が92.4%、30代が83.1%、40代が77.8%と、若年層の支持が突出しています。
支持の主な理由は以下の通りです。
- 人柄と指導力:日経調査では「人柄が信頼できる」が41%、毎日調査では「指導力に期待」が57%とトップ。
- 政策への期待:年収の壁引き上げ(160万円→178万円)やガソリン暫定税率廃止、対中強硬姿勢が評価され、朝日調査では中国姿勢を「評価する」が55%。
- 若年層の取り込み:石破内閣末期(9月調査)の若年層支持率14.4%から大幅回復し、国民民主党や参政党支持層の一部も取り込んでいる。
しかし、自民党の政党支持率は2~3割台にとどまり、内閣支持率との乖離が20~30ポイント以上あります。
これは「高市効果」による一時的なブーストとの見方が強く、政策の実績が追いつかない場合の反転リスクを自民党内でも指摘する声があります。
高い支持率を背景に解散を急ぐ判断は、人気依存の側面が否めません。
2月真冬選挙のリスク:豪雪シーズンの過酷な現実と投票率低下の歴史
高市首相は参院少数与党(6議席不足)の解消を目指し、1月23日通常国会の冒頭解散を検討中です。
これにより投開票は2月上中旬に集中し、北海道・東北・北陸を中心に本格的な豪雪期と重なります。
積雪1m超の地域が多く、投票所へのアクセスは極めて困難です。特に高齢者や移動に制約のある住民にとって、雪道を歩くのは身体的・精神的な大きな負担となります。
過去の国政選挙データを見ると、冬期選挙は投票率低下の傾向が顕著です。
総務省の統計では、衆院選全体の投票率は近年50%台前半(2024年衆院選53.85%)ですが、冬期に重なるケースではさらに低下しやすい傾向が見られます。
例えば、期日前投票の割合が増加する一方、当日投票が大幅減少する事例が繰り返されており、雪害の影響が投票行動に直結しています。
地方住民からは「雪で投票所に行けない」「高齢者が諦める事態になる」「家族の送迎も限界」という悲鳴が相次いでいます。
投票率全体が低下すれば、都市部偏重の結果となり、地方の声がさらに軽視されるリスクが高まります。
過去の冬期選挙事例からも、投票率5~10ポイント低下の可能性は現実的で、高支持率を追い風にした強行は地方の実情を十分考慮していない印象を与えかねません。
真冬選挙は大胆な戦略ですが、投票率低下による政権基盤不安定化の最大リスクを孕んでいます。
円安加速の本当の理由:積極財政が招いた市場の深刻な警戒と悪循環
同時期に深刻化している円安は、1ドル=157円台を突破する場面も。高市政権発足後から「高市円安」と呼ばれ、市場では財政拡張懸念が強く意識されています。
主な原因は以下の通りです。
- 財政拡張姿勢への警戒:補正予算18兆円超(新型コロナ禍後最大)や大規模経済対策が、赤字国債増発・財政リスクを高め、長期金利上昇を招いている。
- 日米金利差の拡大:日銀利上げが緩やかで効果限定的、市場は追加利上げを先送り観測し、円売り・ドル買いが加速。
- 輸入物価高騰の悪循環:エネルギー・食料品価格上昇が続き、実質賃金マイナスが長期化。ガソリン暫定税率廃止(25.1円減税)などの対策も、円安が相殺する形に。
市場では「責任ある積極財政」が財政規律緩みと受け止められ、日本売りを助長しています。
財政拡張で支持を集めようとする姿勢が、逆に国民生活の苦しみを増大させる矛盾は、政権にとって最大の課題です。
高市政権の政策と今後の焦点:物価対策推進と財政・外交の狭間
高市内閣は物価高対策を最優先に、ガソリン・軽油暫定税率廃止、電気・ガス支援、高校無償化拡大などを進めています。これらは現役世代・子育て世帯の支持を支えていますが、財源確保と財政健全化の両立が難航しています。
2月選挙実現の場合、憲法改正(緊急事態条項)や成長戦略が主要争点に。日中関係悪化(台湾有事答弁を機にした中国の経済圧力)も背景に、政権基盤強化が急務ですが、真冬投票環境と円安ダブルパンチで支持率維持が試されます。財政副作用顕在化は支持率急落の引き金にもなり得ます。
さいごに
高市早苗首相の支持率は確かに歴史的高水準ですが、それが2月真冬選挙というリスクの高い決断につながっています。
豪雪による地方負担増と、円安加速による生活苦の悪化は、数字では表せない国民の本音を象徴します。
高支持率を活かした判断が政権強化に成功するのか、それとも予期せぬ不安定化を招くのか――今後の展開が極めて注目されます。
私たち有権者一人ひとりも、自分の1票が地方の現実や生活を守る力になることを改めて意識し、冷静に判断していきたいところです。

