2025年4月13日に開幕した大阪・関西万博は、世界中から注目を集める一大イベントです。
しかし、開幕直後の平日には「ガラガラ」という声が上がり、事業費の多くをチケット収入で賄う計画だけに、赤字への懸念も高まっています。
実際の混雑状況や赤字リスクはどうなのか、開幕から現在までの情報をもとに徹底調査しました。
- 大阪万博の開幕初日は11万9千人の一般来場者を記録したが、翌日の平日は5万1千人と半減。
- 平日の入場はスムーズで混雑は少ないが、1日平均15万人の目標に対し大幅に下回る。
- 赤字懸念が強まる中、万博協会はイベント充実や情報発信で集客を目指す。
- 開幕後の口コミでは、運営面の課題(入場待ち、通信環境、雨天対策)が目立つが、展示内容への満足度は高い。
- 来場者の声からは、万博の魅力と改善の必要性が浮き彫りに。
開幕直後の混雑状況:初日は盛況、平日は一変
大阪万博は2025年4月13日、夢洲で開幕しました。
初日の一般来場者は11万9千人、運営スタッフを含め14万1千人に達しましたが、悪天候や交通混雑で入場に最大2時間かかったとの報告もあります(朝日新聞、2025年4月15日)。
翌日の4月14日(平日)の一般来場者は5万1千人、総計6万8千人と激減し、入場はスムーズで長い行列は見られませんでした(朝日新聞、2025年4月15日)。
X上では「平日はガラガラ」との投稿が散見されます。
万博協会は総来場者2,820万人、1日平均約15万人を見込んでいますが、平日の低調な入場者数は集客への課題を浮き彫りにしています。
平日がガラガラの理由とは?
平日の来場者数が少ない要因として、週末や祝日を狙う観光客の傾向、開幕2週間の予約枠に空きが多いこと、夢洲の立地によるリピーターの少なさが挙げられます。
愛知万博(2005年)では通期パスによるリピーターが約22%を占めましたが、大阪万博の通期パス販売は3万6千枚(2025年3月時点)と低迷しています。
赤字の懸念:チケット売上の現状
事業費約2,350億円の約8割をチケット収入で賄う計画ですが、前売り券は目標1,400万枚に対し約970万枚、修学旅行分を含めても1,170万枚にとどまっています。
関西経済連合会の松本正義会長は「かなり低い状況」と認め、赤字時の税金補填が懸念されます。
インタビューから見る万博の評価と課題
テストランと開幕前の評価
テストラン(2025年4月4~6日)では、参加者から賛否両論が聞かれました。
大阪府民の秋山泰敏さんはサウジアラビア館で「想像以上の体験だった」と高評価。
一方、70代女性は「パビリオンが工事中で期待外れ」と話し、案内板の少なさや入場に1時間半以上かかった点も課題として挙げられました。
開幕後の口コミと評価
開幕から4月17日までの口コミでは、展示内容への満足度が高い一方、運営面の課題が目立ちます。
以下、インタビューやXの投稿から評価を整理します。
- ポジティブな評価:
- 大屋根リングの迫力に「孫にも見せたい」と感動。
- 「パビリオンの展示は未来を感じる」「海外文化に触れられて貴重」との声。特に、ウクライナ館の「人の尊厳」をテーマにした展示や、iPS細胞のミニ心臓展示が話題。
- テストラン参加者は、「前評判が悪かったが十分楽しめた」と満足を表明。
- 課題と不満:
- 初日の入場で最大3時間待ち、雨天対策不足、トイレ故障、携帯電波の悪さ、フードコートでの高価格や治安の悪さが指摘されています。
- 「入出場に3時間、ネット繋がらず、食事も満足にできない」と厳しく評価し、運営の準備不足を批判。
- パビリオン予約の難しさも問題で、初日に予約枠が全滅し「やることがない万博」と失望。
総合評価
開幕後の口コミを踏まえると、万博の展示内容はAI、ロボット技術、異文化交流などで高い満足度を得ています。
しかし、入場プロセスの非効率さ、雨天時の対応不足、通信環境の悪さ、飲食の高コストが来場者体験を損ねています。
万博協会の高科淳副事務総長はテストランで「課題を洗い出し本番に備える」と述べていましたが、初日で同様の問題が再発したことは運営の改善が不十分だったことを示唆します。
集客への取り組みと今後の展望
万博協会は平日の集客を強化するため、Adoさんのオープニングライブや1万人による「第九」合唱など話題性のあるイベントを開催。
150以上のパビリオンでは、持続可能な社会や次世代技術の展示が続き、公式アプリでの混雑状況確認や朝夕の来場推奨も行っています。
これらが平日集客の起爆剤となるかが鍵です。
さいごに
大阪万博は平日のガラガラ状態と赤字懸念に直面していますが、パビリオンの展示は高い評価を受け、未来社会への期待感を醸成しています。
運営面の課題は喫緊の改善が必要で、入場プロセスの効率化や通信環境の整備が求められます。
万博の成功は、こうした課題克服と集客力の向上にかかっており、国内外の来場者に魅力的な体験を提供できるよう、今後の進展を見守りたいです。