宮崎県を中心に、芝生や園庭に潜む外来植物「メリケントキンソウ」が問題になっています。
鋭いトゲが子供の足裏に刺さり、ケガのリスクがあるこの植物は、幼稚園の園庭でも見つかっています。
保護者や保育関係者にとって、子供の安全を守るための対策が急務です。
この記事では、メリケントキンソウから幼稚園の園庭を守る具体的な安全対策と、子供をケガから守る方法をわかりやすく解説します。
- メリケントキンソウは鋭いトゲを持つ外来植物で、幼稚園の園庭でもケガのリスクがあります。
- 安全対策として、早期発見と手作業での除去、お湯を使った駆除が効果的です。
- 子供への啓発や靴の着用指導が、トゲによるケガを防ぐ重要な手段です。
- 園庭の定期点検や保護者との情報共有が、メリケントキンソウの管理に役立ちます。
- 幼稚園での安全な遊び場を確保するには、継続的な対策と地域の協力が必要です。
幼稚園の園庭でのメリケントキンソウの安全対策
メリケントキンソウとは?幼稚園でのリスク
メリケントキンソウは、南アメリカ原産のキク科の外来植物で、2mmほどの鋭いトゲを持つ種が特徴です。
宮崎県内では2010年頃から確認され、芝生や園庭に生えやすい性質があります。
春から初夏にかけてトゲが硬くなり、子供が裸足で踏むと痛みやケガを引き起こします。
MRT宮崎放送の報道によると、宮崎市佐土原町の光が丘幼稚園では、子供たちが「踏んだら痛い」と報告し、メリケントキンソウが発見されました。
光が丘幼稚園の下苙敏大園長さんは、「群生していれば分かりやすいのですが、いろんな草と紛れて生えているので、全体を見て全部除去するのは難しい」と話しています。
このように、メリケントキンソウは小さくて目立たないため、幼稚園の園庭での早期発見が課題です。

幼稚園での具体的な安全対策
幼稚園の園庭でメリケントキンソウを管理し、子供を守るための具体的な対策を以下にまとめます。
1. 早期発見と手作業での除去
メリケントキンソウは、種がつく前の3月~4月に引き抜くのが最も効果的です。
宮崎大学農学部の松尾光弘博士さんは、「一番いいのは種がついていない段階で引き抜くこと。3月、4月に生育が旺盛になってきたときに発見し、手で引き抜くのが有効」と述べています。
幼稚園では、職員が定期的に園庭を点検し、メリケントキンソウを見つけたら手袋を着用して根ごと引き抜くことが推奨されます。
光が丘幼稚園では、子供が裸足で遊ぶため除草剤を使わず、手作業で除去しています。
2. お湯を使った駆除方法
除草剤を使えない幼稚園では、お湯をかけてメリケントキンソウを枯らす方法が有効です。
MRT宮崎放送の報道によると、「お湯をかけて枯らすのも有効的」とされています。 具体的な手順は、沸騰したお湯をメリケントキンソウの根元に直接かけ、枯れた後に引き抜くことです。
この方法は、子供や環境に優しく、幼稚園の園庭に適しています。ただし、熱湯の取り扱いには注意が必要です。
3. 子供への啓発と靴の着用指導
子供がメリケントキンソウのトゲに刺されないよう、啓発活動が重要です。
みまた幼稚園の福澤由香理副園長さんは、「教室でメリケントキンソウについての授業を行い、園児たちに注意を呼びかけています」と話しています。
園庭で遊ぶ際は、裸足を避け、靴やサンダルの着用を徹底するルールを設けましょう。
また、トゲが刺さった場合の対処法(流水で洗う、必要なら医療機関を受診)を子供に教えることも効果的です。

園庭管理のための追加のポイント
メリケントキンソウの再発を防ぎ、園庭を安全に保つための対策を紹介します。
1. 定期的な園庭点検
メリケントキンソウは他の草に紛れやすいため、定期的な点検が欠かせません。
浜松市が発行する保育園・幼稚園向けの資料では、「子どもたちが芝生を裸足で駆け回ると、トゲによる裂傷の危険がある」と指摘されており、点検の重要性が強調されています。
幼稚園では、職員が週1回程度、園庭の芝生を歩いて確認し、メリケントキンソウの有無をチェックする習慣をつけましょう。
2. 保護者との情報共有
保護者と連携し、メリケントキンソウのリスクを共有することも大切です。
尾鷲市向井小学校では、児童がメリケントキンソウの駆除と啓発活動を行い、地域全体で対策を進めています。
幼稚園でも、保護者向けの説明会やニュースレターで、メリケントキンソウの特徴や見分け方を伝え、家庭での靴底チェックを促すと効果的です。
3. 地域や専門家との協力
地域の自治体や専門家と協力し、メリケントキンソウの管理を強化しましょう。
熊野新聞の報道では、学校が冬休み中に業者に依頼してメリケントキンソウを除去した事例が紹介されています。
幼稚園でも、予算が許せば専門業者に除草を依頼したり、自治体の緑地管理部門に相談したりすることで、効率的な対策が可能です。

トゲに刺された場合の対処法
万が一、子供がメリケントキンソウのトゲに刺された場合、以下の対処を行ってください。
- 流水で洗う: トゲが刺さった部分を流水で洗い、汚れや菌を除去します。
- ピンセットで除去: トゲが残っている場合は、清潔なピンセットで慎重に取り除きます。
- 消毒と観察: 傷口を消毒し、赤みや腫れが続く場合は医療機関を受診します。 具体的な対処法は記事で触れられていませんが、志布志市の市報では、「トゲが手や肌に刺さるとケガをする」とあり、早めの対応が必要とされています。
さいごに
メリケントキンソウは、幼稚園の園庭で子供の安全を脅かす外来植物です。
早期発見と手作業やお湯での除去、子供への啓発、定期点検を組み合わせることで、リスクを大幅に減らせます。
保護者や地域との連携も、園庭を安全に保つ鍵です。子供たちが安心して遊べる環境を守るため、ぜひこの記事の対策を実践してください。
