中国サッカー八百長スキャンダル:なぜ73人が永久追放され、トップクラブまで処分されたのか?

※本サイトはアフィリエイト広告を利用しています

中国サッカー界で大規模な不正が明るみに出て、世界中から注目を集めています。中国サッカー協会(CFA)は2026年1月29日、八百長や汚職、賭博に関与したとして73人に永久追放処分を下し、13クラブに対して勝ち点剥奪や罰金を科しました。この処分は、習近平国家主席主導の反腐敗運動の一環として進められてきたもので、中国サッカーの根深い問題を象徴しています。なぜこれほど大規模な処分に至ったのか、その背景と詳細を解説します。

この記事のまとめ

  • 中国サッカー協会は八百長・汚職・賭博の「仮赌黑」問題に対し、73人をサッカー関連活動から永久追放しました。
  • 永久追放者には元CFA会長の陳戌源氏と元代表監督の李鉄氏が含まれ、両者とも刑事裁判で有罪判決を受けています。
  • 13クラブ(天津津門虎、上海申花などトップチームを含む)が2026シーズンの勝ち点剥奪と罰金処分を受けました。
  • 処分の理由は業界の規律強化、サッカー環境の浄化、公平な競争維持で、体系的な見直しに基づいています。
  • 李鉄氏は2024年のドキュメンタリーで賄賂と八百長を自白し、「当時のサッカー界では不正が当たり前だった」と語っています。
  • この処分は過去の第1弾(43人や60人)と合わせ、合計で133人以上の永久追放となり、中国サッカー史上最大規模の粛清です。

なぜ73人が永久追放されたのか? 反腐敗運動の徹底が背景に

中国サッカー界の不正問題は長年指摘されてきましたが、近年、習近平国家主席の強い意向で反腐敗キャンペーンが本格化しました。中国サッカー協会は「仮赌黑」(八百長・賭博・黒幕)問題の专项整治行動を進め、公安部、国家体育総局と連携して調査を深めています。

2026年1月29日の共同記者会見で発表された処分は、この行動の第2弾に当たります。第1弾では2024年9月に43人(選手38人、クラブ関係者5人)が永久追放されており、合計で133人以上がサッカー界から排除されました。中国サッカー協会は、裁判所で犯罪が認定された73人に対して「终身禁止从事任何与足球有关的活动」(サッカー関連活動の生涯禁止)を科しました。これにより、業界のトップから現場まで、汚職の連鎖が断ち切られる形となりました。

CFAの声明では、「業界の規律強化やサッカーを取り巻く環境の浄化、公平な競争を維持するための対処が必要だった」と説明されています。体系的な見直しを通じて、不正の実態が次々と明らかになった結果です。

永久追放された主な人物 李鉄氏と陳戌源氏のケース

永久追放の中心人物は、元中国代表監督の李鉄氏と元CFA会長の陳戌源氏です。李鉄氏は現役時代にプレミアリーグのエバートンでプレーした著名選手で、2019年から2021年まで代表監督を務めました。しかし、2022年11月に「重大な法律違反」の疑いで調査を受け、2023年8月に収賄や贈賄で起訴されました。2024年12月に湖北省咸寧市中級人民法院で懲役20年の判決が下り、上訴も棄却されて確定しています。

李鉄氏は2024年1月に放送されたCCTVのドキュメンタリー番組で自白をしています。「本当に申し訳ない。正しい道を選ぶべきだった。でも、当時のサッカー界では、不正行為は当たり前のこととされていたんだ。」と語り、2017年から2019年に武漢卓爾の監督時代に八百長に関与したこと、代表監督就任のためにCFA会長の陳戌源氏に約28万1000ドル、事務総長の杜兆才氏に14万ドルなどの賄賂を支払ったことを認めました。また、クラブ幹部から選手とのコネを利用した八百長を求められ、チーム昇格のために受け入れたと告白しています。

陳戌源氏は2010年から2023年にかけて地位を利用し、関係企業や個人から総額約7703万元(約16億円)の賄賂を受け取ったとして、2024年3月に収賄罪で無期懲役を言い渡されました。CFAの声明でも、この巨額のわいろが言及されています。

これらの自白や判決が、73人の永久追放の根拠となっています。不起訴となった3人に対しても5年間の活動禁止が科され、無寛容な姿勢が示されています。

なぜトップクラブまで処分されたのか? 13クラブへの重いペナルティ

処分は個人だけでなく、クラブにも及びました。中国スーパーリーグ(CSL)の2025シーズン参加16クラブのうち11クラブを含む13クラブが対象で、2026シーズンの勝ち点剥奪と罰金が決定しました。最も重い処分を受けたのは天津津門虎と上海申花で、それぞれ勝ち点10剥奪と罰金100万元(約14万4000ドル)です。

他のクラブも勝ち点3〜7の剥奪と罰金20万元〜80万元が科され、不正取引の金額、情节、性质、社会的影響に基づいて決定されました。中国メディアは「突然の地震のように、勝点減点は中国スーパーリーグの様相を一変させた」と報じ、上海申花や天津津門虎のような強豪が重い足かせを背負うことになったと指摘しています。

これにより、クラブのブランドイメージやファン心理にも深刻な打撃を与えています。中国サッカー協会は「クラブへのポイント減点と罰金は、各クラブにおける不正行為の数、性質、深刻度、そして社会的影響に基づいて決定されます」と強調し、不正に対する一切の容認をしない方針を明確にしています。

中国サッカー界の構造的な腐敗 なぜここまで広がったのか

中国サッカー界の不正は、権力の集中と金銭の流れが絡み合った構造的な問題です。CFA高层からクラブ幹部、選手、裁判員までが連鎖的に巻き込まれ、八百長や賭博が常態化していました。公安部によると、過去に120試合で不正操作が行われ、41クラブが関与していた事例もあります。

この大規模処分は、単なる個別の事件ではなく、業界全体の浄化を目指したものです。中国メディアでは「中国サッカー史上最も抜本的な粛清」と呼ばれ、「このスキャンダルは業界全体の恥辱」「汚職の影響が深刻だと感じざるを得ない」との声が上がっています。ユース育成の問題だけではなく、トップレベルの腐敗がサッカー強国化を阻んできたことが明らかになりました。

さいごに

中国サッカー協会による73人の永久追放と13クラブへの処分は、八百長スキャンダルの頂点に立つ出来事です。李鉄氏の自白や陳戌源氏の巨額収賄判決が象徴するように、長年蓄積された腐敗が一気に表面化しました。この徹底した反腐敗運動が、中国サッカーの未来を本当に変えるかどうかは今後の行方にかかっていますが、少なくとも公平な競争環境を取り戻すための大きな一歩となったことは間違いありません。中国サッカーファンにとって、痛みを伴う再生のプロセスが始まったと言えるでしょう。

タイトルとURLをコピーしました