黄櫨染御袍が不敬とされる理由は?大阪万博の十二単ショーの企画ミスはなぜ起きたのか?

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2025年4月26日、大阪・関西万博で開催された「十二単ショー」が大きな物議を醸しました。

京都きもの学院京都本校が主催したこのイベントで、天皇陛下のみが着用を許される「黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)」を模した着物を一般モデルが着用したことで、「不敬」との批判がSNSやコメント欄で殺到。

主催者は謝罪しましたが、なぜこのような企画ミスが起きたのでしょうか?

本記事では、公式発表や関連情報を基に、「黄櫨染御袍」の文化的意義と問題の背景を紐解きます。

この記事のまとめ
  • 「黄櫨染御袍」は天皇専用装束で、禁色として一般の着用がタブーとされるため、不敬と批判された。
  • 大阪万博の十二単ショーで一般モデルが模した着物を着用し、SNSで「不敬」「ありえない」と炎上。
  • 主催者の京都きもの学院は宮内庁への確認を怠り、「国民の敬意への配慮不足」を謝罪。
  • 企画ミスは、禁色の意義の理解不足と、事前確認を軽視した判断が原因。
  • インタビューは見つからなかったが、主催者の公式謝罪文やSNS反応が議論の中心。

黄櫨染御袍が不敬とされる理由

「黄櫨染御袍」は、平安時代(弘仁11年、820年)から天皇のみが着用を許された束帯装束で、赤茶色の「黄櫨染」は太陽を象徴する禁色とされています。

嵯峨天皇が「公式朝儀では黄櫨染衣を用いる」と定め、皇祖・天照大御神の神聖さを反映するこの色は、皇位の尊厳を守るため他者の着用が禁止されました。

現代でも、即位礼正殿の儀や宮中祭祀で今上陛下がお召しになり、「天皇を象徴する特別な装束」として神聖視されています。

大阪万博の十二単ショー(4月26日)では、この「黄櫨染御袍」を模した着物を一般女性モデルが着用。

X上で「天皇陛下にのみ許される禁色」「不敬の極み」、「宮内庁に通報すべき」と批判が噴出し、コメント欄でも「文化的冒涜」「禁色の意味を理解していない」と強い反発が見られました。

特に、衣紋道専門家が「有職故実の身分秩序を無視」と指摘し、一般人が着用することは皇室の尊厳を軽視する行為とみなされました。

主催者は「忠実に再現したものではない」と弁明しましたが、「神器の形代さえ畏れられる」文化では、模倣であっても不敬と受け取られたのです。

十二単ショーの企画概要と問題の経緯

イベントは、京都きもの学院京都本校と衣紋道雅ゆきが共催し、「きものの普及と魅力を国内外に発信」することを目的に開催されました。

第3部「即位礼での天皇・皇后両陛下の装い~十二単ショー~」では、十二単や「黄櫨染御袍」を模した着物をモデルが着用し、観覧客に披露。

共催者の衣紋道雅ゆきさんがXで「海と青空を背景に束帯や十二単の美しさをご覧いただけたのでは」と投稿したところ、装束の色に注目が集まり、批判が殺到しました。

Xでは「黄櫨染は天皇しか着れない」「京都を冠する学校がこれ?」、コメント欄でも「宮内庁に事前に相談したの?」「ありえない」と疑問が相次ぎました。

主催者は5月12日、公式サイトで謝罪を発表。

「日本の皇室が受け継いできた伝統と歴史ある装束の素晴らしさを多くの方々に知っていただきたいという純粋な思い」で企画したが、「国民の皆様が皇室の伝統に対して抱かれる敬意や感情に対し、十分な配慮ができていなかった」と認めました。

企画ミスの原因:宮内庁への確認不足と文化的理解の欠如

主催者は、企画にあたり宮内庁への確認を行わず、「法的な規制はない」と認識していたと説明。

しかし、「黄櫨染御袍が持つ歴史的・文化的意義、そして天皇陛下を象徴する特別な装束であるという重みをふまえた場合、宮内庁への連絡の必要性を検討すべきであった」と反省しました。

Xでは「衣紋道の専門家が禁色を知らないはずがない」、「文化発信を名目に身分秩序を無視」()と、専門性の欠如や軽率な判断が批判されました。

ウェブ情報では、「黄櫨染御袍」の染色法(櫨、蘇芳、五倍子を使用、)や「太陽の光で金茶色から茜色に変化する」神秘性が、禁色の特別さを強調。

主催者がこの意義を十分理解せず、「文化発信」の名目で安易に着用させたことが問題視されました。

コメント欄でも「展示やトルソーでの解説に留めるべき」との意見が上がり、企画の方法論が誤っていたと指摘されています。

インタビュー記事の有無と関連情報

本件に関するインタビュー記事は、提供された情報やウェブ検索で確認できませんでした。

ただし、主催者の公式謝罪文や、共催者・衣紋道雅ゆきさんのX投稿が主要な情報源です。

Xでは、承香院さんが「私個人としては、そういうこと自体は別によいのでは?」と擁護しつつ、大多数が批判的で、「大河ドラマは宮内庁の協力があるから許されるが、ショーは同列ではない」と区別されました。

NHKの解説(「天皇だけが身につけられる赤茶色の装束」、)や、宮崎神社の宮司さんの投稿(「皇位の尊厳を守る」、)も、禁色の重さを補強しています。

さいごに

「黄櫨染御袍」の着用が不敬とされた背景には、平安時代から続く禁色の神聖さと、皇室への国民の敬意が深く関係しています。

大阪万博の十二単ショーは、日本文化を発信する意図は評価できるものの、宮内庁への確認不足と禁色の意義の軽視が大きな企画ミスを招きました。

この事件は、伝統文化の扱い方や現代の皇室観について、改めて考える契機となるでしょう。

万博開催中の今後、こうした議論が文化イベントの在り方にどう影響するのか、注目されます。

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