イランの最高指導者ハメネイ師が、2025年5月17日の演説で、トランプ米大統領を「レベル低過ぎ」と痛烈に批判し、注目を集めています。
この発言は、トランプさんが中東歴訪中にイランを敵視する発言を繰り返したことへの反応です。
なぜハメネイ師はこれほど強い言葉を選んだのか？
その背景や真意、そして米・イラン関係への影響について、公開情報や報道を基に詳しく探ります。
- ハメネイ師はトランプさんのイラン敵視発言を「レベル低過ぎ」「米国民にとっても恥」と批判。
- トランプさんは「テロ支援の停止」「核兵器追求の中止」を求め、「力による平和」を主張。
- ハメネイ師は特にガザ問題を挙げ、米国の「戦争扇動」を非難。
- 発言の背景には、イラン国内の団結強化と核交渉での強硬姿勢の維持がある。
- Xではトランプさんへの賛否や中東情勢への懸念が議論されている。
ハメネイ師が「レベル低過ぎ」とトランプを批判
2025年5月17日、テヘランでの演説で、ハメネイ師はトランプさんの発言を「反応する価値はない。レベルが低過ぎて、本人や米国民にとっても恥だ」と酷評しました。
この発言は、トランプさんが中東歴訪中にイランを「最大の脅威」と位置づけ、「テロ支援や代理戦争の停止、検証可能な形での核兵器追求の中止」を求めたことへの反発です。
時事通信によると、ハメネイ師は特にトランプさんの「力による平和」という主張を問題視し、「彼や米政府は（パレスチナ自治区）ガザでの虐殺や戦争扇動のために力を使っている」と非難しました。
また、日本経済新聞の報道でも、ハメネイ師がトランプさんの発言を「低レベル」と評し、「米国にとって恥ずべきもの」と強調したと伝えられています。
この強い言葉遣いは、トランプさんの外交姿勢を一蹴する姿勢を示しています。
ハメネイ師の発言はイランの国営メディアを通じて報じられ、Xでも広く拡散。
たとえば、あるXユーザーは「トランプ氏『レベル低過ぎ』 中東歴訪での発言酷評」と引用し、注目を集めました。
発言の背景：イラン国内の団結と核交渉
ハメネイ師の発言の背景には、イラン国内の政治的状況と国際的な駆け引きがあります。2025年3月のNHKの報道によると、トランプさんがイランの核開発をめぐる交渉を呼びかける書簡を送った際、ハメネイ師は「彼らにとっての交渉とは新たな要求を押しつける手段にすぎない」と述べ、交渉を拒否しました。
この姿勢は、今回の「レベル低過ぎ」発言にも通じるもので、トランプさんの圧力外交に対する強硬な抵抗を示しています。
イラン国内では、経済制裁や物価高による国民の不満が高まっており、ハメネイ師の発言は国内の団結を強化する意図も含まれていると見られます。
2025年3月13日のInfoseekニュースによると、ハメネイ師は「核兵器を作ろうと思えば米国は阻止できない」と過激な発言をしつつ、トランプさんの交渉提案を「制裁と圧力を強めるための口実」と批判しました。
これにより、国内の強硬派を鼓舞し、米国への対抗姿勢を明確にしています。
さらに、トランプさんがガザ問題を軽視しつつイランを批判したことも、ハメネイ師の反発を強めた要因です。
ハメネイ師は、ガザでのイスラエルとハマスの衝突を「虐殺」と表現し、米国の支援を非難。
イランがパレスチナ問題を重視する立場から、トランプさんの発言を「低レベル」と切り捨てることで、イスラム世界での支持を維持しようとした可能性があります。
真意：外交的駆け引きと国際社会へのメッセージ
ハメネイ師の「レベル低過ぎ」発言の真意は、外交的駆け引きと国際社会へのメッセージ送信にあると考えられます。
2025年3月11日の朝日新聞によると、ハメネイ師はトランプさんの核交渉を求める書簡に対し、「交渉を主張する威張った国による押しつけは受け入れない」と述べ、対話を拒否しました。
この一貫した姿勢は、トランプさんが求める核合意再交渉を有利に進めるための圧力を拒絶し、イランの主権を強調する意図があります。
また、BBCの報道では、ハメネイ師がトランプさんの交渉呼びかけを「世界の世論を欺くトリック」と切り捨て、米国との協議を拒否する姿勢を明確にしました。
この発言は、トランプさんが軍事行動の可能性を示唆したことへの対抗措置でもあり、米国が武力に訴えても「イランは反撃する」と警告することで、抑止力をアピールしています。
ハメネイ師の批判は、国際社会、特に中東の同盟国や非同盟国に向けたメッセージでもあります。
トランプさんがサウジアラビアなどアラブ諸国との関係強化を図る中、ハメネイ師は米国の「戦争扇動」を非難することで、イランの反米姿勢を支持する勢力（例：ヒズボラやシリア政府）に結束を呼びかけました。
トランプの発言と米・イラン関係の緊張
トランプさんの発言は、米・イラン関係の緊張をさらに高めています。
2025年5月17日の産経ニュースによると、トランプさんがイランを「最大の脅威」と呼び、核開発問題を巡る協議が4月中旬に始まって以来、ハメネイ師が公式に批判したのは初めてでした。
トランプさんは、2019年にもハメネイ師らに金融制裁を科し、「イランは核兵器を持つことができない」と強調した経緯があります。
Xでは、トランプさんの発言に対する賛否が分かれています。
@BUNKUROIさんは「トランプが低レベルなのは同意ですが、イランを脅威と位置付けた発言は正しい」と投稿。
@GOXGOXGOX2さんは「ハメネイのトランプ批判は正しい」と支持を表明。
一方で、@THpY72PN3PHJCH3さんは「トランプは米国を劣化させた」と批判し、議論の過熱を示しています。
さいごに
ハメネイ師の「レベル低過ぎ」発言は、トランプさんの強硬なイラン批判への反発であり、国内の団結強化、核交渉での主導権維持、国際社会へのメッセージ送信を意図したものです。
ガザ問題や「力による平和」への批判を通じて、イランの反米姿勢を鮮明にし、中東での影響力を保とうとしています。
米・イラン間の緊張は続き、Xでの議論も活発ですが、両者の対立が今後どのように展開するのか、引き続き注目が必要です。
