『機動戦士ガンダム GQuuuuuuX(ジークアクス)』は、スタジオカラーとサンライズの初タッグによる2025年春放送の話題作です。
特に第8話「月に墜(堕)ちる」では、ジークアクス2号機ジフレドのエヴァ初号機を彷彿とさせるカラーリングや演出が注目を集め、ガンダムとエヴァンゲリオンの融合が話題に。
庵野秀明さんが脚本に参加していることから、ファンの間で「エヴァのオマージュでは?」と盛り上がっています。
しかし、庵野さん本人はこの類似性をどう捉えているのでしょうか?
この記事では、ジフレドとエヴァ初号機の関係や、庵野さんの意図について、インタビューや公式コメントを基に詳しく探ります。
- ジークアクス2号機ジフレドの紫と緑のカラーリングや猫耳ビームは、エヴァ初号機に似ていると話題。
- 第8話「月に墜ちる」では、ジフレドがパイロット不在で動くなど、エヴァらしい演出が多数。
- 庵野秀明さんは「エヴァっぽいカットは自分の仕業ではない」とコメントし、鶴巻和哉監督の影響を強調。
- ジフレドのパイロット、ニャアンの「サードチルドレン」設定やキシリアモチーフもエヴァとの関連性を想起させる。
- ガンダムとエヴァの融合は、スタッフのガンダム愛とエヴァ愛が混ざり合った結果とされる。
- 庵野さんの脚本参加は初期プロットや冒頭に限定され、エヴァ要素は意図的でない可能性が高い。
ジフレドはエヴァ初号機のオマージュか?
ジークアクス2号機ジフレド(GFreD)は、紫と緑を基調としたカラーリングや、頭部の「猫耳ビーム」と呼ばれる特徴的なデザインで、視聴者にエヴァ初号機を強く連想させます。
特に第8話「月に墜ちる」では、ジフレドがパイロットのニャアンさん不在で敵を攻撃するシーンや、独特な戦闘の動きが、エヴァ初号機の暴走シーンを思わせるとして話題に。
Xの投稿では、「ジフレド=エヴァ初号機」「分かりやすく初号機」との声が多数見られました。
また、ジフレドの設定画が公開された際も、「エヴァ激似な機体カラー!」と注目を集めました。
さらに、ジフレドのパイロットであるニャアンさんが「サードチルドレン」と呼ばれる設定や、劇中で「キシリア様に似てる」と言われる点も、エヴァンゲリオンのパイロット設定やキャラクター性を彷彿とさせます。
これらの要素から、ジフレドがエヴァ初号機へのオマージュではないかという議論が巻き起こっています。

庵野秀明のコメント:エヴァ要素は「誤解」
ジフレドのエヴァ初号機との類似性について、庵野秀明さんは公式なコメントを発表しています。
株式会社カラーの公式Xアカウント「(株)カラー 2号機」によると、庵野さんは以下のように述べています。
「GQ第8話Bpart。『月に堕ちる』に『エヴァンゲリオン』みたいなカットがいくつかありますが、僕はほぼお手伝いしていません。自分の仕業というのは誤解です。(弊社社長談)」
また、別の投稿では、第8話の演出について「『トップをねらえ!』みたいなカットがいくつかありますが、あの辺りの画コンテは僕じゃないです。鶴巻監督です」と、鶴巻和哉監督の影響が大きいことを明かしています。
これらのコメントから、庵野さん自身はエヴァ要素を意図的に盛り込んだわけではなく、視聴者の「エヴァっぽい」との印象は誤解だと主張していることがわかります。

鶴巻和哉監督とスタッフのエヴァ愛
庵野さんがエヴァ要素を否定する一方で、ジークアクスの制作陣には『エヴァンゲリオン』シリーズに関わったスタッフが多く参加しています。
特に、監督の鶴巻和哉さんは『フリクリ』や『トップをねらえ2!』で知られ、庵野さんとともにエヴァンゲリオンの世界を築いた人物です。
Xの投稿では、「ジークアクスのスタッフはガンダムとエヴァンゲリオンが好きな人が多すぎるのでどうしてもオマージュが多くなる」との指摘があり、スタッフの嗜好がジフレドのデザインや演出に反映された可能性が示唆されています。
さらに、キャラクターデザインの松原秀典さんやメカニカルデザインの金世俊さんも『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』に関わったメンバーであり、彼らのエヴァ愛がジフレドのエヴァ初号機に似たビジュアルに繋がったと考えられます。
例えば、ジフレドの設定原案資料は、庵野さんの初期プロットとともに特典冊子『ANNO SCENARIO & DESIGN WORKS 2』に収録されており、スタッフのこだわりが垣間見えます。

ガンダムとエヴァンゲリオンの融合の背景
ジークアクスは、ガンダムシリーズの伝統とエヴァンゲリオンの革新的な演出を融合させた作品として話題です。
リアルサウンドの記事によると、本作は「歴代ガンダムファンを沸かせるオマージュ」と「エヴァらしい設定」が共存し、興行収入33.4億円を記録するなど大ヒットを記録しています。
ジフレドのエヴァ初号機に似たデザインや、ニャアンさんの「サードチルドレン」設定は、ガンダムとエヴァのファンを同時に惹きつける要素となっています。
しかし、庵野さんの関与は主に初期プロットと冒頭の脚本に限定されており、全体のエヴァ要素は鶴巻監督や他のスタッフのクリエイティブな判断によるものが多いようです。
Xでも、「鶴巻さんがガンダムとエヴァを本当の意味で融合させた」との声があり、ジフレドのデザインや第8話の演出がエヴァを意識したものだと評価されています。

ジフレドとキシリアモチーフの謎
ジフレドを巡るもう一つの話題は、ニャアンさんがジフレドを見て「キシリア様に似てる」と発言するシーンです。
この台詞に対し、視聴者からは「どこが…?」と困惑の声が上がりました。 キシリア・ザビは『機動戦士ガンダム』に登場するジオン公国の女性幹部で、ジフレドの紫色がキシリアのイメージカラーと関連している可能性があります。
しかし、ジフレドのエヴァ初号機に似た外見とのギャップから、ファンの間で解釈が分かれています。
この点について、庵野さんやスタッフからの明確なコメントは見つかりませんでした。

庵野秀明の創作スタイルとオマージュ
庵野秀明さんは、自身の作品にオマージュやパロディを多く取り入れることで知られています。
Wikipediaによると、庵野さんは永井豪や石川賢、岡崎京二などの影響を受けつつ、「パッと浮かんだアイデアには元ネタがあることが多い」と語っています。
しかし、ジークアクスに関しては、庵野さん自身が「セルフオマージュは好まない」とし、むしろ過去のガンダムや他のアニメへの愛を重視する傾向があるとXで指摘されています。
このため、ジフレドのエヴァ初号機エヴァらしさは、庵野さんの意図というより、スタッフ全体のガンダムとエヴァへの情熱の結果と考えられます。

さいごに
ジークアクス2号機ジフレドのエヴァ初号機を思わせるデザインや演出は、ガンダムとエヴァンゲリオンの融合として大きな話題を呼びました。
庵野秀明さんは「エヴァっぽいカットは自分の仕業ではない」と否定していますが、鶴巻和哉監督やスタッフのエヴァ愛が、ジフレドの独特な魅力を作り上げたことは間違いありません。
ニャアンさんの「サードチルドレン」設定やキシリアモチーフなど、謎めいた要素も含め、ジークアクスはガンダムファンはもちろん、エヴァファンにも見逃せない作品です。
残りの話数で、ジフレドがどんな活躍を見せるのか、ぜひ一気見してその答えを見つけてください!
