2025年6月、気象庁が観測史上最も早い梅雨明けを発表し、水不足と高温によるコメ生産への影響が懸念されています。
鳥取県米子市の柳谷ファームの安井貴之さんは「コメ農家としては大打撃」と不安を口にし、米不足のさらなる悪化が心配されています。
この記事では、2025年の水不足がコメ生産にどう影響するのか、米不足による価格高騰の可能性やその背景について、農家の声や最新情報を基に詳しく解説します。
日本の食卓に欠かせないお米の未来を、ぜひ一緒に考えてみましょう!
- 2025年の観測史上最も早い梅雨明けと空梅雨により、水不足がコメ生産に深刻な影響を及ぼす可能性がある。
- 高温障害による白未熟粒の増加で、コメの品質低下や収量減少が懸念される。
- 米不足は2024年から続き、2025年の水不足がこれに拍車をかける可能性がある。
- 米価は2024年比で約2倍に高騰、5kgで4,200円超に達し、消費者や飲食店の負担が増加。
- 政府の備蓄米放出や輸入米の活用が進められるが、長期的な解決策が求められている。
2025年の水不足でコメ生産はどうなる?
2025年6月27日、気象庁は九州・中国・四国・近畿で梅雨明けを発表し、九州南部を除く地域で1951年以降最も早い梅雨明けとなりました。
降水量が少ない空梅雨に加え、35度を超える猛暑日が続く予報もあり、農家は水不足によるコメ生産への影響を強く懸念しています。
鳥取県米子市で90ヘクタールの田んぼを管理する柳谷ファームの安井貴之さんは、「稲刈りが早い品種では、田植え前から盆明けまでしっかり水が必要。このまま雨が降らないと、7月8月の稲刈りまでの水が足りなくなる」と語ります。
水不足は特に出穂期(7月~8月)に影響し、稲の生育に必要な用水の確保が難しくなる可能性があります。
ウェブ情報によると、2025年6月のダム貯水量は平年を下回り、たとえば東京周辺の多摩川水系の貯水率は66.2%と低迷しています。
この状況が続けば、灌漑用水の不足により、コメの収量が大幅に減少するリスクが高まります。

高温障害がコメの品質と収量に与える影響
高温もコメ生産にとって大きな脅威です。
安井さんは「高温が続くとイネの高温障害で、コメが白く濁る症状(白未熟粒)が出るので、品質が低下し、収量が下がってしまう」と指摘します。
2023年の猛暑では全国的に白未熟粒が増加し、一等米比率が過去最低レベルに低下しました。
2025年も同様の高温が予想され、品質低下による市場価値の減少が農家の収入に直結する懸念があります。
Xの投稿では、@Nowonshare_cbcさんが2024年の岐阜県での高温障害による「7割〜8割の収量減少」を報告しており、2025年の高温リスクへの関心が高まっています。
農研機構によると、高温障害は気温35度以上が続くと発生しやすく、耐暑性品種の導入や遮熱技術が対策として注目されていますが、普及には時間がかかるとされています。

米不足の現状と2025年の見通し
日本は2024年から続く米不足に直面しており、2025年の水不足がこれを悪化させる可能性が指摘されています。
2023年の猛暑による不作や、観光客の増加による需要急増が背景にあり、農林水産省によると、2024年8月の米在庫は過去25年で最低の153万トンに落ち込みました。
2025年4月時点で、5kgの米の平均価格は4,214円(約29ドル)と、昨年比で2倍以上に高騰しています。
政府は2025年3月から緊急備蓄米を31万トン放出し、5月にはさらに30万トンの放出を決定しましたが、価格はわずか0.2%下落するにとどまり、効果は限定的です。
Xでは@typhoooooooさんが「備蓄米空にしてからの水不足」と政府の対応に疑問を呈し、農政への不信感が広がっています。
2025年秋の新米収穫まで、供給不足が続く可能性が高いです。

価格高騰が消費者と飲食店に与える影響
米不足による価格高騰は、消費者や飲食店の負担を増やしています。
2025年4月の5kg米の平均価格は4,214円で、2024年同期の約2,000円から急上昇しました。
東京の小売店経営者の飯塚貴雄さんは「米の入手が不安定で、価格高騰が続いている」と語り、消費者心理の不安を指摘します。
スーパーでは1人1袋の購入制限が導入され、飲食店では値上げや無料おかわりの中止が広がっています。
消費者からも不満の声が上がっており、ナカヤマナオコさんは「米は日本人の魂なのに、政治家は国民の気持ちを理解していない」と政府の対応に苛立ちを表明しています。
Xでは@harumeko369さんが「野菜も高騰するのでは」と懸念し、食卓全体への影響を心配する声も見られます。

政府の対応と長期的な課題
政府は備蓄米の放出や米国・韓国からの米輸入を増やしています。
2025年4月には韓国産米が25年ぶりに輸入され、スーパー大手のイオンは米国産カルローズ米の販売を開始しました。
しかし、消費者からは「国産米の味を好む」との声が多く、輸入米への抵抗感も根強いです。
ヒグチメモリさんは「地産地消を続けてきたのに、輸入米は避けたい」と語ります。
一方、専門家は政府の減反政策(米の生産調整)が米不足の根本原因だと批判します。
キヤノングローバル戦略研究所の山下和仁さんは「減反政策で生産が絞られ、わずかな需要増でも供給不足になる」と指摘し、政策の見直しを求めています。
Xでも@m_otkareさんが「水不足と減反で日本は詰み」と危機感を表明しています。
長期的な解決策として、生産拡大や耐暑性品種の普及が求められていますが、農家の高齢化や労働力不足が課題です。

さいごに
2025年の水不足と高温は、コメ生産に深刻な影響を及ぼし、米不足と価格高騰をさらに悪化させる可能性があります。
農家の苦境、消費者の負担、政府の対応不足が重なり、日本の食卓に欠かせないお米の未来が揺らいでいます。
備蓄米の放出や輸入米の活用は一時的な対策にすぎず、減反政策の見直しや気候変動への適応策が急務です。
地元の農家を応援しつつ、国産米の安定供給を願うため、私たちも食卓での選択を考えるきっかけにしてみませんか?
