あまり知られていない台風のメリット

気象のはなし

夏から秋にかけては台風が多く発生するシーズンですね。

夏休み。楽しみにしていた旅行や遊びにゆく予定が、台風で台無しになってしまうことってありますよね。

台風で交通機関が乱れたり、河川が氾濫して大きな被害が出たり、困ってしまいますね。

でも、無理して災害に巻き込まれたりしないように、台風が近づいてきたときは慎重に行動したいものです。

そんな台風ですが、実はとても大事な役割も持っているんです。

本記事では、あまり知られていない台風のメリットについてご紹介します。

水不足の解消

台風は、大量の雨をもたらします。もちろん梅雨のシーズンの梅雨前線や、不規則に降る夕立なども多少は水不足を解消しますが、なによりもダムの貯水率を上げるのは 比較的、短い時間で100ミリ~200ミリ以上の大雨がまんべんなく降る 台風なんです。

台風はダムの貯水量を一気に5千万トン以上も上げることができるのです。

生態系の維持

台風は、海深くの水温が低く酸素の少ない水と、海面近くの水温が高く酸素の多い水とをかき混ぜることで、酸素をたっぷり含み、生物の住みやすい水温となった環境を作ります。

特にその影響を受ける生物が「サンゴ」です。サンゴが生息するのに適した水温は25~28℃といわれています。台風がサンゴの生息地を通り過ぎることで、サンゴの生息に適した水温をつくってくれるのです。

もし台風が来ないと、水温は30℃を越えてしまい、サンゴは「白化現象(はっかげんしょう)」により死滅してしまうのです。

サンゴ礁には、そこを棲家にする生物がおり、さらにそれを食料とする生物がおり、サンゴが死滅すれば、その生態系全体がダメージを受けてしまいます。

台風の「かき混ぜ」効果によって、海洋の生態系は守られているのです。

まとめ

夏から秋にかけてのちょっと迷惑な風物詩である台風ですが、私たちの暮らしに欠かせない水と生態系をもたらす大事な自然のエネルギーのひとつなんですね。

台風のもたらす水害やトラブルに巻き込まれないように、うまく付き合っていく必要がありますね。

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