2026年2月、セブン‐イレブン・ジャパンがおにぎりや弁当など29品目を平均約20円値上げしたことが発表されました。手巻おにぎりの人気商品「ツナマヨネーズ」は税込178円から196円に、「炭火焼紅しゃけ」は213円から232円になるなど、身近な食事の価格上昇が続いています。この値上げはコメ価格の高騰が主な要因ですが、背景には実質賃金の4年連続マイナスという厳しい家計状況があります。本記事では、なぜこの値上げが多くの人の生活を圧迫するのかを、事実に基づいて詳しく解説します。
この記事のまとめ
- セブン‐イレブンはコメ価格の高止まりを受け、2月10日からおにぎりなど29品目を平均20円値上げしました。
- コメ価格は2024年の「令和の米騒動」以降高止まりが続き、2025年産でも前年高値で集荷された影響が残っています。
- 2025年の実質賃金は前年比1.3%減と4年連続マイナスで、名目賃金の上昇が物価に追いついていません。
- 10年間おにぎり2個生活を続ける消費者は、価格がほぼ2倍になった商品もあり、購入時にためらいを感じています。
- セブン‐イレブンは低価格帯の商品を維持し、企業努力を続けるとしています。
- 今後、コメ価格は徐々に落ち着く可能性が高いと専門家は指摘しています。
セブンイレブンのおにぎり値上げが生活を圧迫する理由
セブン‐イレブンのおにぎりは、手軽に買えて栄養バランスも取れる日常食として多くの人に親しまれてきました。しかし今回の値上げで、主力商品が200円近くになるケースが増えています。平均20円の上昇は一見小さく見えますが、毎日利用する人にとっては積み重なる負担です。
特に問題なのは、コメ価格の高騰が直接的に影響している点です。セブン‐イレブン側は「商品価格への影響を小さくする努力を続けてきたが、やむを得ず見直す」と説明しています。実際、2025年4月にもおにぎり4品を値上げしており、今回が短期間での2回目の対応となります。
この値上げが生活を圧迫するのは、実質賃金の低下と重なるからです。物価上昇に賃金が追いつかない状況では、可処分所得が目減りし、食費の節約を強いられます。おにぎりは「安くて済む食事」の代表格だったため、価格上昇は家計の選択肢を狭め、外食や中食全体への影響も懸念されます。
コメ価格高騰の背景とは
コメ価格の高止まりは「令和の米騒動」と呼ばれる2024年の出来事が起点です。2023年の猛暑による不作、ウクライナ情勢による小麦高騰からのコメ回帰、南海トラフ地震への備蓄需要などが重なり、供給が逼迫しました。これを受け、集荷業者は2025年産米を前年より高値で買い集めました。
結果、2025年産の収穫量が増えたにもかかわらず、卸価格は高止まりしました。農林水産省のデータでは、5kgあたりの全国平均価格が4,416円まで上昇し、調査開始以来の最高値を記録しています。生産コストの上昇(肥料・燃料高)や卸の集荷競争も価格を押し上げました。
セブン‐イレブンでは、このコメ高が原材料費に直撃し、2025年1月下旬の37品目値上げに続いて今回の対応に至っています。弁当の「親子丼」も594円から645円になるなど、米飯商品全体に影響が及びました。
実質賃金の低下が家計を直撃
厚生労働省が2026年2月9日に発表した2025年分の毎月勤労統計調査(速報)によると、実質賃金は前年比1.3%減となり、4年連続のマイナスです。名目賃金(現金給与総額)は2.3%増と5年連続プラスでしたが、消費者物価指数(持ち家の帰属家賃を除く総合)が3.7%上昇したため、実質では目減りしました。
12月単月でも実質賃金は0.1%減と12カ月連続マイナスで、減少幅は縮小したもののプラスには転じていません。基本給は堅調ですが、物価、特に食料品の上昇が家計を圧迫しています。
この状況で食費の主軸であるおにぎりが値上げされれば、日常の節約が難しくなります。多くの家庭で「少しでも安いものを」とスーパーやディスカウント店へのシフトが進む可能性もあります。
消費者のリアルな声
大阪市在住のグラフィックデザイナー、高下龍司さんは10年間、平日昼にセブン‐イレブンのおにぎりを2個ずつ食べ続け、累計5000個以上を完食しています。節約と利便性から始めた生活ですが、値上げの影響を強く感じています。
高下さんは「200円以上のおにぎりに一瞬ためらいますね。高いものを買ったら、もう1個は安いのにしてバランスを取るようになりました」と語ります。具体的な価格変化として、2016年7月時点と現在の近畿エリア価格を比較すると、海老マヨネーズは110円から210.60円(約2倍)、ツナマヨネーズは110円から178.20円、炭火焼紅しゃけは140円から213.84円となっています。
高下さんの賃金は10年で月1万~2万円程度上昇した程度で、値上げペースに追いついていません。「具が極端に貧相になった」「コンビニで買い物するのは富裕層」という声もSNS上で見られますが、高下さんのように長年愛用してきた人ほど、日常の小さな変化が大きなストレスとなっています。
セブンイレブンの対応と企業努力
セブン‐イレブン・ジャパンは「コメの価格についても依然として高止まりの状況です」「やむを得ず手巻おにぎりなどの一部米飯商品において、価格・規格の見直しをさせていただくことになりました」と公式に説明しています。一方で、低価格のおにぎりも品揃えを続け、のりを巻かない商品や2個入り冷凍品、150~160円程度の値頃感のある商品を充実させるとしています。
また、麺類と一緒に買うとおにぎりが50円引きになるクーポン配布も実施し、売り上げへの影響を緩和する工夫をしています。サプライチェーン全体の生産性向上や商品企画の見直しも並行して進めている点は、企業努力の表れと言えます。
さいごに
セブン‐イレブンのおにぎり値上げは、コメ価格の高止まりと実質賃金の低下が重なった結果です。手軽な食事の価格上昇は、日常の食生活に確実な影を落としています。専門家によると、2026年は在庫調整や概算金の動向、備蓄米の運用次第でコメ価格が徐々に落ち着く可能性が高いとされています。
家計を守るためにも、代替商品の活用や節約術の工夫が求められます。食料価格の安定が、一日も早く実現することを願います。読者の皆さんも、身近な価格変化に目を向けながら、賢い選択を続けていきましょう。

